カテゴリ: 金融

500億円という気が遠くほどの巨額な資金が吹っ飛んだというのに、ほかの取引所の下落率は予想以上に低い。

 

むろん、ビットコイン預金者にすれば、多額の損失だが、これだけの事態を考えれば、地球上のすべてのビットコインに取りつけ騒ぎが起きてもおかしくない。

 

各国の財政の責任者も、金融専門家も、学者も、メディアもこぞって、「ほれ、見たことか」とビットコインの末路を予言しているのだ。

 

にもかかわらず、取引所によっては急落した相場を徐々に盛り返している。

 

恐るべし、ビットコインというべきか。オランダのチューリップとは、これはちょっとちがうかもしれない、という気がしてならない。

 

果たして今回のトラブルを救う白馬の騎士があらわれるか。かつ原因をつきとめられるか。再発を防ぐ、万全のシステムを構築できるか。

 

ビットコインの正念場である。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉橋その6

東京は、江戸が遺してくれた景観にずいぶん助けられていると思います。

 

 

226日の朝日新聞夕刊によれば、東京に本拠を置くビットコインの大手取引サイト「Mt.Gox」(マウント・ゴックス、本社・渋谷区)は26日未明、すべてのサービスを停止したという。

 

ビットコインはこれまで約1250万枚発行され、現在は1単位あたり500㌦(約51千円)で取引されている。

 

記事によれば、マウント・ゴックスでは全流通量の6%にあたる74万枚のビットコインが失われた可能性があるという。円に換算すると約370億円になる。

 

ネット上の仮想コイン、ビットコインのすべてが取引を停止したわけではないが、世界中に混乱が広がるのは必至だ。

 

現在の発行枚数、1250万枚は円にして約7650億円。マウント・ゴックスの取引所停止で、取りつけ騒ぎが世界で起きると収拾がつかなくなる恐れがある。

 

政府や中央銀行といった後ろ盾がないので、トラブル発生への対処も確立されていない。ただ、これによって、ビットコインが消滅するわけではなく、事態の推移を見守りたい。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉橋その3

江戸時代はここに和田倉門がありました。

 

 

<お知らせ>2005年から2013年までのブログはこちらに保管してあります。

http://shin-oshima.blog.jp/

 

ネット上で流通している仮想通貨、ビットコインは、Satoshi  Nakamotoと名乗る人物が発案し、2008年、ネット上に公開したことから始まった。

 

サトシ・ナカモトとは、日本人なのか。まだだれなのか、特定されていないが、ビットコインを発案した目的を国家から独立した通貨をつくること、としている。

 

121日夜に放映されたNHKの「クローズアップ現代――仮想通貨vs.国家 ビットコインの衝撃」によれば、その考え方に賛同した世界中のプログラマーによってつくられたのが、ビットコインだという。

 

NHK取材班は、世界中の100人以上のプログラマーがかかわった開発のなかで中心的な役割を担っていたといわれるアメリカ在住のギャビン・アンドリーセンさん(47)に話を聞いていた。

 

アンドリーセンさんは、「ビットコインでは主導権は政府や銀行ではなく、利用者にあるのです。民主主義的なおカネだからこそ人を動かす力があるのです」と語っていたが、半面、価値が乱高下し投機の対象になりやすく、犯罪にも利用されやすい。

 

中国政府は、急速に拡大するビットコインを警戒している。

 

アメリカでは最近、違法な薬物取引サイトの利用者にビットコインを提供したとしてビットコインと現金を交換する会社経営者らがマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで訴追された。

 

おそらく、これは氷山の一角にすぎないであろう。

 

ビットコインは匿名性が高く、このようにマネーロンダリングに利用されるケースはますますふえると見られている。

 

〔フォトタイム〕

 

鍛治橋交差点その3

このまま真っ直ぐ行けば、左手に東京駅八重洲口が見えてきます。

 

 

ジョージ・ソロス(投資家、慈善事業家)が、124日の「朝日新聞」でことしの世界経済の見通しを語っている。そのなかでソロスは、<現代世界が直面する大きな不安は、ユーロではなく、中国の将来の方向だ>と言い切る。

 

ソロスは中国をこう分析する。

 

<急速な台頭に寄与してきた成長モデルはもはや力を失った。輸出と投資に力を入れた結果、家計部門はいまやGDP35%に縮小し、その貯蓄は現行の成長モデルの財源として足りなくなった。様々な資金調達の急増は、(リーマン・ショックによる)2008年の暴落に先立つ数年間、米国に広がった金融状況と不気味に似ている>

 

ただ、ソロスによれば、米国と中国には重要なちがいがあるという。

 

<米国では金融市場が政治を支配しがちだが、中国では国家が銀行と経済の大部分を所有し、共産党が国有企業を管理する点だ>

 

これは影の銀行の破綻でささやかれている中国の金融危機の推移を予測するうえで、重要な視点である。

 

<危機に気づいた中国人民銀行(中央銀行)は12年から債務増加を抑えたが、経済への影響が表れると共産党が前に出た。137月、党指導部は鉄鋼業界に溶鉱炉の再稼働を指示し、人民銀行に金融緩和を命じた>

 

<構造改革よりも経済成長を優先した中国指導部の選択は正しかった。構造改革を財政緊縮とともに実施すれば、経済はデフレに陥って急落するからだ。しかし最近の政策には自己矛盾がある。溶鉱炉の再稼働は急速な債務増加に再び火をつける。こうした状況を23年以上続けることは不可能である>

 

構造改革よりも経済成長を優先した中国指導部の選択は正しかったというソロスの見方には異論もあろう。とはいえ、中国経済が中国共産党の力技をもってしても限界があるというソロスの予測に賛同するむきはすくなくあるまい。

 

<この矛盾を、いつ、どのようにして解決するかは中国と世界に重大な影響を及ぼすだろう。中国が首尾よくこの局面を抜けるためには、おそらく政治と経済の改革が必要となる。もし失敗すれば、いまも幅広い層が持っている中国の政治指導部への信頼が損なわれ、その結果、国内での抑圧と国外での軍事対立が生まれるかもしれない>

 

尖閣周辺の動きは、国外での軍事対立の予兆ともいえるが、いずれにしても大いに気になる中国の動向である。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉噴水公園その5

周辺の景観のよさはバツグンです。

 

 

121日夜のNHK「クローズアップ現代」のテーマは、<仮想通貨vs国家 ビットコインの衝撃>だった。ネット上で生まれた新しい通貨、ビットコインは金融不安をきっかけにヨーロッパで広まった。

 

それがビットコインの利用者は、いまや全世界で数百万人。市場規模は1兆円といわれる。需要が高まったため、価格は上昇。そこに世界の投資マネーが流れ込み、1ビットコインは10万円を突破。わずか1年で100倍以上になったという。

 

キプロスの市民が、「信頼できない中央銀行から解放してくれるのがビットコインなんだ」と語っていた。誕生からわずか5年で80か国以上に拡大した。

 

国境を越えたすばやい送金ができるのもビットコインの魅力。たとえば日本からアメリカへ送金するとき、通常は双方の銀行の仲介が必要だ。しかし、ビットコインはインターネットで個人同士が直接取引ができるため、手数料は不要。

 

株のように投資対象ともなっているが、国や中央銀行の支えはない。ビットコインは世紀の大発明か、それとも……ビットコインの恍惚と不安の行く末に注目していきたい。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉噴水公園その3

天皇家の慶事を記念してつくられた公園は、近くのオフィスに勤務するサラリーマンの憩いの場でもあります。

 

 

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