カテゴリ: メディア

森喜朗元首相の「転ぶ」発言に関するメディアの報道は、例によって一点集中主義の展開になってにぎやかだった。

 

「大事なときにかならず転ぶ」のみを摘出し、発言者の人格まで攻撃する手法は、自分もかつて属していたメディア界の常套手段だが、その品性のなさに苦笑せざるを得なかった。昔、自分もあんなふうだったのか、と。

 

森さんは座談の名手で、講演の人気も高い。森さん独特の口の悪さもまた魅力の一つで、そこがまた、メディアに狙われやすかった。

 

問題の発言を部分的にではなく、全体としてみれば、むしろ浅田選手へのエールとなっている。

 

それはともかく、浅田選手は、外国特派員協会の会見で、きびしい森批判を期待する質問に、「わたしは気にしていませんが、森さんは、いま、すこし後悔しているのではないかなと思います」とかわし、「後悔はしていない」という森さんも「真央ちゃんを大好きな孫からものすごく怒られた」とテレビで語っていた。

 

こっちのほうが、よっぽどおとなの応酬だと思った。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉橋その4

お濠の水がなごませてくれます。

 

 

222日の朝日新聞に、<BS放送を見ていますか?>という記事があった。2692人に聞いたところ、「はい」と答えたのは71%だったという。

 

その理由は?

1、世界の紀行ものが充実828

2、内外の名作の再放送が充実781

3、スポーツの生放送が充実698

4、ニュース・情報番組が充実313

5BS専用新作ドラマが充実249

 

ここ数年、地上波よりBS放送のほうを、37くらいの割合で多く見ている。それも録画で見ることが多い。たしかに以前とくらべて、BS放送のニュース・情報番組が充実してきたと思う。2時間たっぷりかけてのニュース・情報番組には、ときどき付き合うことがある。

 

BS放送のたのしみ方は、映画、ドキュメンタリー、スポーツ、ドラマ、音楽、グルメ、旅行と人それぞれであろう。

 

自分にとってBS放送は、まず映画とドキュメンタリーが目当て。ニュースもBSで、全然、地上波を見ない日もある。これから全国的にわたしのような視聴者が徐々にふえていくのではないか。地上波よ、うかうかするなかれ。

 

〔フォトタイム〕

 

汐留地下道その6

近くに電通四季劇場「海」があります。

 

 

25日のあさ7時のNHKニュースで、アナウンサーが声をあらためて意外な事実を伝えた。「現代のベートーベン」といわれる、音を失った作曲家、佐村河内守(さむらこうち・まもる)さん(50)は十数年前から別人のつくった曲を自分の作品として発表していたというのだ。

 

佐村河内さんは広島生まれの被ばく2世。35歳で聴力を失ったあとも積極的に作曲活動をつづけてきた佐村河内さんを各メディアは大きく報じてきた。

 

とりわけ昨年3月末にスペシャル番組を組んだNHKのショックは大きく、5日のあさ、アナウンサーは沈痛な表情で、「本人が作曲していないことに気づくことができませんでした」と頭を下げた。

 

3年前、娘からCDをプレゼントされた。佐村河内さんの「交響曲第1番≪HIROSHIMA」≫――大友直人指揮 東京交響楽団」だった。2011年4月11日~12日にパルテノン多摩(大ホール)でひらかれたコンサートの録音で18万枚出荷されたと聞く。クラシックでは信じられないほどの大ヒットだ。

 

CDのシオリには、こう書かれていた。

 

<すべての聴力を失う絶望を経た作曲家、佐村河内守が完成させた≪交響曲第1番≫。中世以来の西洋音楽の歴史を包含し、ブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチ等、ロマン派シンフォニストの系譜を受け継ぐこの交響曲は、佐村河内の出自(被ばく2世)が反映された自伝的作品でありながら、「闇が深ければ深いほど、祈りの灯火は強く輝く」という作曲者のことばに象徴されるように、東日本大震災の惨禍を経験したわたしたち日本人の心にも深く通じる、魂を救う真実の音楽といえましょう>

 

<危険を感じる大きな余震がつづくなかでの録音セッション。大オーケストラが、大友のタクトのもと、まさに一塊の火の玉となり燃え上るさまは圧巻。最終楽章、苦しみと闇の彼方に、希望の曙光が降り注ぐ――。「現代に生まれた奇跡のシンフォニー」を、是非お聴きください>

 

看板に偽りあり。実際には、「現代に迷い出た虚構のシンフォニー」となってしまったが、さほど腹立たしくは感じなかった。

 

佐村河内さんの作品でなかろうとも、なかなか迫力のあるシンフォニーであるのはまちがいない。代作者の力量を感じた。惜しむらくは、ゴーストではなく堂々と共同作曲者として名を連ねるべきだった。

 

それにしても、なぜ、いま、唐突に贋作事件があかるみに出たのか。佐村河内さんの周辺に何があったのか。

 

たぶん、真相は、近日中に週刊誌が教えてくれるにちがいない。

 

〔フォトタイム〕

 

数寄屋橋公園その3

この碑に菊田一夫の名前が見えます。いわずと知れた「君の名は」の作者ですね。

 

 

NHK会長になった籾井勝人(もみい・かつと)氏は、三井物産副社長や日本ユニシス社長をつとめてきたビジネスマン。メディアの流儀というものに慣れていなかったのか、メディアのペースに乗って話題を提供するハメになった。

 

うかつというか、生真面目すぎた。

 

メディアの世界に飛び込んだからには、メディアの手法と怖さについて事前に勉強しておくべきだった。

 

今回、ニュースとなった慰安婦などに関する発言は、なかなか勇気ある意見で賛同した人もすくなくないと思う。

 

「戦時中だからいいとか悪いとかいうつもりは毛頭ないが、この問題はどこにもあること」とか、どれもごく常識的な発言である。

 

 

半面、やっぱり籾井さんは商社マンだなあ、とも思う。ビジネスとメディアの世界のちがいに気づかず、まんまと罠にはまってしまった。

 

質問者から従軍慰安婦ということばが出たときの身構え方が正直すぎた。NHK会長と慰安婦問題。格好のとりあわせである。

 

大方のメディアは、爪の先くらいのことばでもニュースにしようと虎視眈々と狙っているのだから、こういうときはうまく肩すかしをくらわせたほうがよいのだ。たとえば、こんなふうに。

 

――慰安婦問題について、会長はどうお考えでしょうか。

「むつかしい問題ですね。勉強しておきます」

 

しかし、籾井さんはまっとうに答えた。そして批判された。

 

哀しいことに、メディア界の現在の風潮では、そういう手練手管が、NHK会長には必要である。

 

いわんや、「会長の職はさておき」なんて言い方はメディアの世界では通用しない。商社マンが商談で、「これは個人的な意見ですが」といったら、バカにされるのと同じこと。

 

籾井会長は、あわてて「発言を取り消します」といったそうだが、これまた、みっともない。

 

NHK側の会長へのレクチャーが足りなかった。「記者会見にオフレコはありませんから」と、きつく伝えておくべきだった。

 

もっとも、これで籾井さんはメディアの正体を見たと思う。恥じはかいたが、いい教訓になったはずだ。

 

〔フォトタイム〕

 

和田倉噴水公園その7

高層ビルとのコントラストもたのしめます。

 

 

 

118日の産経新聞は、1面で米カリフォルニア州グレンデール市に「慰安婦」像が設置された問題で、訪米中の日本の地方議員団が16日(日本時間17日)、像設置への抗議文を同市の担当者に提出。グレンデール市側は正式に受け取ったと報じた。

 

記事によれば、抗議文は、「日本軍が強制的に女性を拉致し、慰安婦とした事実はない」、「虚偽のプロパガンダのために大きな混乱が生じている」、「事実ではない『性奴隷』ということばを碑に刻み、慰安婦像として残すことは、将来に禍根を残す」などと指摘、像の撤去を求めているという。

 

この地方議員団の抗議文には、全国321人の地方議員が賛同している。

 

それにしても、「20万人以上の女性が拉致され、強制的に……」という慰安婦像の文言はひどい。米国人のなかには、この碑を見て、日本のイメージを変えてしまう人もいるかもしれない。

 

訪米した地方議員団のメンバーのひとりは、「怒るというより、(なぜこんなことがまかり通るのかと)悲しくなった」と漏らしたというが、たしかにこれは悲しい現実というしかない。

 

大手メディアはロサンゼルスに特派員を常駐させているが、なぜか黙殺している。これまた悲しい現実である。

 

〔フォトタイム〕

 

有楽町マリオン周辺その6

記念にマリオンの案内も撮ってきました。

 

 

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