カテゴリ: 文化

贋作(がんさく)の歴史は古く、地球上にはおびただしい量のまがいものがハンランしている。

 

困ったことにマレには、ホンモノ以上にうまいニセモノがある。そんなわけで、世界中の美術館を徹底的に調べたら、ひょっとして贋作がゼロというのは半分もないかもしれない。

 

「秀作の贋作に見とれる人々」なんて言い方はおかしいが、いってみれば知らぬが仏。だれも気づいていないだけかもしれないのだ。

 

昔、ある大新聞社がコロー展をひらいた。あとでわかったことだが、贋作が何点か混じっていた。なぜ、そういうことになるかといえば、サインだけはホンモノだったから見破れなかったのだ。

 

コローは売れない画家のために、自分からサインをしていた。同じような理由で、横山大観も他人の作品にみずから箱書きすることがあった。

 

文壇でも川端康成は自分の名前を売れない作家や評論家にタダで貸していた。

 

こういうのはごくわずかな例にすぎないが、人助けという面があった。とはいっても、いくら美談に仕立てたところで、贋作をホンモノと偽って売るかぎりは犯罪である。

 

佐村河内守氏のCDを購入した人たちは、詐欺にあったも同然であるから内心、「こういう場合は、どうしてくれるのか」という気持ちもあると思う。

 

販売元はどういう対応をするつもりかわからないが、「代金を返してほしい」という人はほとんどいないと思う。むしろ、問題のCDということで、いずれオークションなどで値上がりするかもしれない。そんなことも含めて案外、大事に扱われるような気がする。

 

〔フォトタイム〕

 

数寄屋橋公園その4

数寄屋橋公園のシンボルは、やはりなんといっても岡本太郎の作品ですね。

 

 

 

116日、裏千家の新年恒例の初釜式が新宿区市谷加賀町の裏千家東京道場でひらかれた。家元の千宗室さん(57)が濃茶を点て、それを運んできたのは次男の敬史さん(23)だった。

 

「やっぱり」と思った。昨年の初釜式の際、家元が敬史さんにふれ、茶道学校で勉強しているといったので、いずれ初釜式にお目見えするのではないかと期待していた。

 

初釜式に10年ばかり参加している。だから確信をもっていえるが、敬史さんが東京の初釜に出たのはこれがはじめてのはず。先般、読売新聞が次期家元に決まったと報じた話題の人である。

 

あいさつでは家元、敬史さん、大宗匠と、裏千家三代が並んだ。裏千家ファンのひとりとして、まことにめでたい光景を目の前にして、思わず胸がジ~ンとなった。

 

次期家元を裏千家では若宗匠というが、久々にプリンスが誕生するのがうれしい。

 

千宗室さんは同志社を出たあと、大徳寺で得度した。「これからお師匠さんを探さなければ……」と家元。茶道のみならず禅の修行を積んで、はじめて家元の継承者となるのだ。

 

敬史さんは日本の伝統を継ぐ大役を担う立場になるが、あせらず、力まず、まずは基本をきちんと学んでいただきたいと思う。

 

〔フォトタイム〕

 

有楽町マリオン周辺その4

JR有楽町駅のすぐ近くで、地下鉄の便にも恵まれています。

 

 

だれだったか、名前を忘れたが、寿司のおしまいはアナゴ、という有名人がいた。アナゴはもちろん大好きだが、寿司にうるさい人がけっこうアナゴにこだわっているのが不思議だった。

 

吉行淳之介と山口瞳の対談『老イテマスマス耄碌』(新潮社、1993年)は、「小説新潮」に5回連載された。その第Ⅰ回は、九段下の寿司政でおこなわれたという。その一節に。

 

吉行 うまそうだな。

山口 おすすめはアナゴです。

吉行 いきなりアナゴからいきますか。コハダからいくというのはどうですか。

山口 アナゴがいいと思うな。やわらかいから。

吉行 アナゴから入ってコハダへいく。

山口 アナゴ、中トロ、コハダって感じ。

吉行 でもやっぱり、コハダからいこう……ほんとだ、うまい。

 

思わず回転寿司へでも飛び込みたくなるようなやりとりである。

 

寿司政のアナゴが山口瞳のお気に入りであったように、この店のコハダは映画監督の山本嘉次郎が絶賛していたとか。

 

〔フォトタイム〕

 

三囲(みめぐり)神社その5

もちろん神社では、ライオンよりもキツネが上位です。

 

 

↑このページのトップヘ