カテゴリ: 政治

細川さんの敗因は、はっきりしている。風が吹かなかったのである。風が吹かなければ、凧はあがらない。

 

原発ゼロと小泉さんの全面的バックアップ。これでいけると思ったのだろうが、細川さんは成功体験に囚われすぎていた。日本新党ブームが忘れられず、それが過信につながった。

 

いかんせん、時代が変わっていた。

 

細川サイドは反原発候補の共倒れを防ぐために、候補の一本化をしきりに求めていた。これはどだいムリな話だった。共産党の細川嫌いについて認識不足だった。

 

また、細川さんは、無党派層から自分が受け入れられていないことに気づくのがおそかった。東京都知事選のカギをにぎるのは、無党派層であり、その分析をすることもなく、細川さんは突っ走ってしまった。

 

細川さんは、敗因の一つとして、準備不足をあげていた。しかし、これは全然、関係がない。むしろ、細川さんは全候補のなかでいちばん早くから準備していた。

 

後出しジャンケンも作戦の一つだったはずで、細川さんは殿さまにしてはけっこう軍師の才のある人なのだ。

 

猪瀬知事の金銭スキャンダルのさなか、細川さんが出演した番組を見て、おやっと思ったことがある。細川家の美術品を展示する永青文庫の紹介番組であったが、細川さんが玄関まで出迎えたり、じつに愛想がいいのだ。

 

おそらく都知事選への出馬をすでに決意していたと思われる。その後も、積極的にテレビ出演していたフシがある。というのも、告示直前に放映中止が発表されたものもあるからだ。

 

敗因の弁を述べる細川さんを見て、この人の女々しさは首相当時と変わっていないなあ、と思った。「原発を争点としないようにした勢力があった」と細川さんはいったが、その言い訳がむなしく感じられた。

 

 

 

頓挫しかねない大阪都構想の民意を問うため、橋下徹さんは大阪市長を辞任し、出直し選挙に再出馬するという。

 

いまたけなわの都知事選が、途端にかすんでしまった。小泉さんから橋下さんへ話題の主の交代である。そのトバッチリで細川さんは宇都宮さんに追いつかれそうな雲行きだ。 

 

それはともかく、大阪都構想にかける橋下さんの男気は感じるが、台所の苦しい大阪市が5億円とか6億円とかいわれる選挙費用を使ってまでおこなうことではない。

 

今回の出直し大阪市長選というのは、いってみれば橋下さんの旦那芸のようなものであり、こういうぜいたくなひとり芝居を打てる橋下さんというのはたいした役者だとあらためて思った。

 

日本のような民主主義国家では、選挙に強いというのは、まさに鬼に金棒だ。ほかのシステムにはない、デモクラシーだけの特典といってよい。

 

それだけに選挙に強い人は、選挙というものに対して謙虚に向き合い、むやみに選挙を自分の意思貫徹の道具として乱用してはいけないのである。

 

〔フォトタイム〕

 

鍛冶橋交差点その7

左に折れれば、すぐ近くに国際フォーラムがあります。昔、都庁があったところです。

 

 

日本は世界でもマレな元首相が元気な国だ。ここ数日のメディアを賑わしているのも、細川護煕さん(76)や小泉純一郎さん(72)であり、森喜朗さん(76)だ。

 

都知事選出馬で大々的に報じられた細川さん、それを支援する小泉さんの陰で目立たなかったが、森さんの2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会会長就任というのもなかなの大役である。

 

功なり名をとげた人たちが、ふたたび第一線で汗をかこうとしている。年寄りの冷や水とヤユする声もあるが、まずはお手並み拝見といきたい。

 

おっと、忘れるところだったが、現職の首相、副総理も元首相だ。

 

日本のように元首相が何人も存命中というのは、ほかにあるまい。いったい、現在、何人いらっしゃるのか。

 

あの人に、この人と……指折り数えてみたが、途中でわからなくなった。

 

どうして、かくも首相OBが多いのか。

 

裏返せば、日本の首相の在職日数がいかにすくなかったかということ。何人もの元首相が健在というのは、ほんとはあまりほめられたことではない。

 

ともあれ、それぞれに晩節を汚さぬように、と願っている。

 

〔フォトタイム〕

 

有楽町マリオン周辺その3

真っ直ぐ行けば、皇居。バックすれば銀座です。

 

 

東国原英夫氏(56)は10日、報道陣の囲み取材で都知事選に立候補することは、「2000%ない」と明確に述べた。2000%というからには、不出馬はまちがいないようだ。

 

昨年12月、東国原氏が維新の会を離党したうえ、衆議院議員を辞任したときは、東国原氏が都知事として適格かどうかはともかく、都知事選への出馬はかたい、と思った。

 

その後、予想通り、猪瀬直樹氏の辞任となり、東国原氏はぎりぎりの段階で立候補を表明すると予想していたが、はずれてしまった。

 

東国原氏は、都知事選への出馬の意志はまったくなかったとしているが、それは本心ではあるまい。

 

2011年の都知事選で獲得した169万票を、決して忘れたことはないはずだ。

 

なにが不出馬への決定的な要因となったのか。

 

舛添氏とか細川氏とか、下馬評にあがった人たちの顔ぶれを見て、勝てそうにないと判断したのか。しかし、これは当たっているようで、当たっていないと思う。たけし軍団の、負けず嫌いでやんちゃなそのまんま氏には、ぜんぜん似合わないのだ。

 

もっと、人間関係の濃いところで、原因があるのではないか。

 

〔フォトタイム〕

 

JR東京駅八重洲口その5

大丸のショーウインドーを撮ってみました。 

 

 

 

アメリカ大統領は地上最大の権力者、といわれているが、どうやらそれはうそっぱちのようだ。

 

政治とは、突き詰めていえば、カネと人事の分配である。

 

自分で予算も決められないアメリカの大統領が、なんで地上最大の権力者なのか。

 

ワシントンではスミソニアン協会が運営する博物館も美術館も、また国立公園も休みだという。

 

海外から高い航空運賃を払ってワシントンにやってきた観光客がこれらの施設に入れないという。

 

こんなばかげたことをやめさせる力がアメリカの大統領にない。

 

まったくばかげた話だ。

 

〔フォトタイム〕

 

電通本社ビル界隈その4

まるで地上のような雰囲気ですね。

 

 

 

 

 

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