海外へ出掛けた際、ほとんどの人が、到着した空港の入国審査待ちでイライラした経験があると思う。

 

到着便が重なったときとか、アクシデントがあったときは仕方ないが、いかにものんびりした入国審査にうんざりしながら付き合う羽目になったことも何度かある。

 

では、日本はどうなのだろう。

 

成田国際空港広報部が発行する「GREEN PORT REPORT」10月号で、入国審査官が入国審査をスムーズに進めるための工夫などを語っていた。

 

取材を受けたのは、年間約3000万人が利用する成田空港で入国審査官をつとめる戸田亜里沙さん(東京入国管理局成田空港支局)。

 

<業務中、つねに心がけているのは、「並んでいる旅客を長時間待たせないこと」>

 

外国人の上陸審査は、パスポートにスタンプを押すだけの単純作業ではない。複雑な業務をすばやくこなしていかなければならない。

 

申請人の指紋と顔写真の提供を受け、旅券と入国カードの確認および口頭質問をおこない、入国を認めるか判断する。

 

<審査待ち時間は20分以内と目標を掲げているので、すこしでも時間を短縮できるように、審査カウンターに来る手前で旅客の顔を確認し、旅券チェックの時間を短縮するなどの工夫をしている>

 

なるほど。さすが日本人、時間を少しもムダにしていない。と思ったが、いわれてみると、外国によっては、審査カウンターへむかうとき、じっと見つめられたことが何度かあった。

 

なにか睨みつけられたような感じがしたが、あの時点で顔を確認されていたというわけか。

 

不審な点があった場合、どうするのか。当然、待ったをかけることになるが、入国審査官は上陸拒否を直接決めることはできない。その場合は、特別審理官が当人を別室で口頭審理し、上陸の可否を判断する。

 

不法入国を阻止する入国審査官には、鋭い観察力と冷静な判断力が求められる。そのためには、世界各国の情勢に精通していなければならない。

 

<事前に各国の政治や経済情勢を知っておくことで、不法入国を防ぐ足がかりになることもあるという。国の情勢が悪いときに観光が可能なのか? などあらゆる角度から想定していく>

 

入国4年目を迎えるという戸田亜里沙さん、偽変造と疑われる旅券などの鑑識をおこなう偽変造文書鑑識の担当でもある。

 

〔フォトタイム〕

 

東京メトロ銀座線浅草駅地下商店街その3

60㍍ほどの地下商店街に20軒ほどが連なっています。