26日の毎日新聞で400㍍障害の世界選手権銅メダリスト、為末大さんが中学校時代のことを語っていた。

 

そのなかで陸上部の監督だった恩師の指導法を書いていたが、為末さんの回想のなかに同感するところがあった。

 

陸上部監督が指導した最初の練習は、体操でもランニングでもなく、座学だった。

 

監督は、黒板に三角形を書いて、競技は精神、体力、技術の三つの要素で成り立っていると説明した。

 

そのなかでいちばん大切なのは精神、すなわち楽しいと思ってやること、動機づけが大切なのだと、部員たちに教えた。

 

為末さんはこう述べている。

 

<実際に競技生活のなかで、一生懸命努力している選手が、陸上を楽しんでやっている選手に負けるのを何度も見てきました>

 

スポーツにかぎらず、世間には、一生懸命努力しているのに報われない人たちがたくさんいる。

 

半面、それほど苦労しているとも思えないのに、どんどん幸運を呼び込んでいる人たちもすくなくない。

 

この不合理をどう説明したらよいのか。結局、楽しいと思ってやること、浮き浮きした気分が、成功した人々の、とてつもないエネルギー源となっているのだ。

 

〔フォトタイム〕

 

日比谷公園草地広場その3

日比谷公園には、子どもたちも楽しめる場所があるのです。