観光地としてのエジプトはすばらしい。とりわけルクソールには、ピラミッドと同様、旅人のロマンをかきたててくれる神殿や墓地がある。

 

王家の谷は、壮大なる王族の埋葬の地。あのツタンカーメンの墓もここにある。

ナイル川をはさんで、カルナック神殿やルクソール神殿がある。

 

広大な一帯は世界遺産に指定されていて、旅人にとっては、空から見てみたいところだ。

 

いまはどうか知らないが、ルクソールでは、観光名所近くの小さな商店でも日本円で買いものができた。店員がカタコトの日本語を話していた。それだけ日本人観光客が多いのだろう。

 

早稲田大学は、早くからルクソールで発掘をつづけている。

 

一方、ルクソールは、悲劇の場でもあった。

 

古代エジプト唯一の女王がつくったハトシェプスト女王葬祭殿にむかうとき、脳裏をよぎったのは199711月の大惨事だった。

 

イスラム過激派が銃を乱射し、日本人10人を含む62人が死亡した。日本人犠牲者のなかには、何組かのハネムーンの人たちがいた。

 

「エジプトは治安が悪い」、「ルクソールの熱気球は危険だ」というのは、これまでも何度もいわれてきた。それでも外国人は、なんの疑念もなくルクソールで熱気球に乗っている。

 

こういう熱心なエジプトファンのためにも、エジプト政府は安全対策に万全を期してほしいと願っている。

 

〔フォトタイム〕

 

国立新美術館その3

設計したのは若尾文子さんの夫、黒川紀章さんです。