亡くなった山本夏彦さんから、「礼状は素早く」と教わった。何かいただきものなどがあったら、なるべく早く礼状を出しなさい、というのだが、これがなかなかできない。

 

はがき1枚ぐらい10分もあれば書けるのだが、ずるずると日時を伸ばしてしまうことが多い。

 

山本夏彦さんの教訓は、じつに応用範囲が広い。ロンドン五輪の内村航平選手のあん馬の採点において異変が生じた。こういうときにも、ぴったりの格言だと思った。

 

実際、体操の日本男子チームが銀メダルに輝いたのは、日本側が素早く審判団に「この採点はおかしい」とアピールした結果であった。

 

今夕の朝日新聞によれば、<国際体操連盟(FIG)の規定で、得点が出た直後に書面で申し出れば、正式な形で「照会」できる。ただし、これには300米㌦が必要。やみくもに照会をうけないためにFIGがきめたルール>とか。

 

日本チームは300㌦を惜しまずに、素早く照会を求めたのだ。これは賢明であった。

 

イギリスは、体操男子で100年以上もメダルを獲得していない。したがって銀メダルが、途端に銅メダルになって、場内はブーイングが沸き起こった。

 

イギリス国民の気持ちになれば、このブーイングは致し方ない。

 

もし、ぐずぐずして国際体操連盟への抗議が遅れたら、どうなったか。あと味の悪さは何倍にもなっていたはず。

 

何日かあとになってから、ひっくり返るよりも、あの場で決着したのは、大正解であった。

 

どういう手順で照会したのか。

 

推察するに、英文で素早く採点の疑問点をしたためたのだろう。いずれにしろ国際体操連盟に対してルールにしたがって内村選手の「下り技」に関する採点の異議を上申した日本男子コーチらの機敏な措置を称えたい。

 

〔フォトタイム〕

 

高田馬場駅周辺その2

大きな壁画がありました。