「潮」3月号をひらいていたら、「日本の青年力」という特集を組んでいた。編集部が選んだ各界の若きトップランナー15人が紹介されていた。

 

そのなかに、<「ワンコイン検診」で日本人の健康を守る>という見出しで、「ケアプロ」という会社の29歳の社長が紹介されていた。

 

いま、日本では一年以内に健康診断を受けていない人が3300万人もいるという。これはなんとかしなければならない。

 

世の中には、医者嫌いどころか、検診嫌いという人がけっこう多い。

 

そのほかに忙しくて検診に行けない人もいる。嫌いな人はともかく、時間のない人がかんたんに血液検査などができれば、とても助かる。

 

青年経営者は川添高志さんといい、慶応大学の看護医療学部を出て、東大病院で看護師として勤務したあと、資本金1000万円で「ケアプロ」を起業したという。

 

川添さんは、東大病院では糖尿病代謝内科病棟にいて、検診を受けていなかった患者を多数見てきた。

 

「もっと早く検診を受けていればよかった」と悔やんでも、もう手遅れだ。 

 

川添さんがいう、「ワンコイン検診のモデルは大学3年のアメリカ視察中に偶然入った大型スーパーの店舗で見た『ミニッツ・クリニック』です。医師が常駐せず、『ナース・プラクティショナー』(医療行為もできる看護師資格者)が、簡易的な健康診断と治療を通常の病院よりも安価におこなうサービスで、日本でもできないかなと思っていました」。

 

医師以外の医療行為を認めていない日本は、アメリカほどにかんたんにはいかない。いろいろ障害もあったようだが、ことし1月現在で累計の受診者は7万人を突破したという。

 

川添さんの目標は、「美容院に行くように定期的に健診を受ける社会」と、「医療後進国へ検査機器、検査技術、データベース管理のノウハウを輸出し、外貨を稼ぐ」ことだという。

 

日本の若者は、頼もしい。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅その6

写真を撮ったのは昨年の夏でした。