数年来、アメリカで地方紙がどんどん休刊に追い込まれ、その実態はテレビでも何度か報じられた。

 

以前、テレビで、クビになった地方紙の記者たちがネットに活路を見い出そうと、ネット新聞を立ち上げたルポを見た。アメリカのどこであったか、記憶にないが、うまく軌道に乗ったのだろうか。

 

アメリカで地方紙が激減した結果、どういうことになるのか。メディアの片隅にいた人間としては無関心ではいられない。

 

けさの朝日新聞のインタビュー欄に、「記者が消えた街」「米で地方紙が激減 監視なき役人給与 大統領の倍にも」とあった。見過ごせない見出しだ。

 

米連邦通信委員会から委託されて全米のニュース需給事情を調べた元米誌記者、スティーブン・ワルドマンさんに聞いた記事だ。

 

ワルドマンさんによれば、米新聞業界はこの5年で新聞広告は半減し、212紙が休刊となった。20年前、全米で6万人いた記者がいまは4万人になった。

 

記者が来なければ、報道もされない「取材空白域」があちこちに出現するようになった。その結果、どういうことになったか。ワルドマンさんは、カリフォルニア州の小都市ベルで起きたことを語っていた。

 

「地元紙が1998年ごろ、休刊になり、市役所に記者が一人も来なくなった。市の行政官(事務方トップ)は500万円だった自分の年間給与を、十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた。オバマ大統領の2倍です」

 

こういうお手盛りは、記者がいなくとも市民の告発でなんとでもなる。しかし、市民の監視には限界があるのも事実。結局、カリフォルニア州のケースも、ロサンゼルス・タイムズの記者がたまたま隣の市で取材中に小耳にはさんでスクープした。

 

また、選挙で異変が生じているという。投票率が下がり、どこも現職が有利とか。アメリカの地方政治家は、新聞が廃刊になってもあまり深刻ぶらないのは、なるほど、こういうことだったのかと納得した。

 

〔フォトタイム〕

人形町の人形市その6

人形町の交差点です。