読んでいるうちに、胸がジーンとしてくる記事であった。

 

けさの朝日新聞によれば、<(福島県)飯館村は、村役場での業務最終日となった21日、夏休み期間中(8月8~16日)に村内の中学1、2年生約20人をドイツに派遣すると発表した>という。

 

咄嗟に自分が中学1、2年生だった頃を振り返った。新潟県北端の農村に生まれ、はじめて修学旅行で上野駅に着いたのは、中学3年のときだった。外国へ行ったのは、社会人になってからだ。

 

自分の過去など、どうでもよい。記事をつづけよう。

 

<「飯館村『未来への翼』プロジェクト」と銘打ち、南西部の環境首都フライブルクの民家に宿泊しながら、バイオガス発電発熱やグリーンツーリズムなどを視察する。旅費や滞在費は全額村が負担する>

 

役場も福島市へ移転し、約6000人の村人がバラバラになって避難していく一大事のときでも、将来を見据えたプロジェクトを続行する飯館村はすごいと思う。こういうのが、ほんとうの政治ではあるまいか。

 

飯館村では、22年前から農家にとっていちばん忙しい秋の刈り入れどきに、お嫁さんたちが、10日間ほどヨーロッパ旅行するプロジェクトもつづけている。ただし全額無料ではなく、自己負担分として10万円が必要だ。

 

こういう発想を思いつき、実際に実行に移した飯館村の英知、それぞれの家庭の理解に脱帽せざるを得ない。

 

けさの朝日記事はこう結んであった。

 

<村は、「かれらは未来の飯館村を担っていく希望。自然を生かし、互いを思いやりながら地域づくりを進める先進地の取り組みを学んでもらいたい」としている>

 

異文化にふれてきた中学生たちと、離れ離れの飯館村の人々が、ふたたび住み慣れた大地で一緒に生活できる日が一日も早く来てほしいと願うや切である。

 

〔フォトタイム〕

キャラクターストリートその3

よく知られた場所なのでしょう、親子連れの姿もありました。