けさの産経新聞で河崎真澄上海支局長が、<中国共産党の機関紙、人民日報の傘下にある中国の環球時報は、BRICS首脳会議の翌15日付紙面で大々的に取り上げ、中国外交の成果を内外にアピールした>と伝えている。

 

いつの間か、BRICsBRICSになっていた、という感じ。414日、中国海南省の三亜市でひらかれた新興5か国首脳会談。B(ブラジル)、R(ロシア)、I(インド)、C(中国)にS(南アフリカ)が加わってBRICS(ブリックス)と看板を替えた。

 

現在、世界の人口は約682000万人。BRICSの場合、中国約134000万人、インド119000万人、ブラジル約19000万人、ロシア約14000万人、南アフリカ約5000万人で、あわせて約291000万人。5か国で軽く全体の4割を超えてしまう。

 

中国は人一倍序列を重んじる国。各国の席順はどうだったのだろう。

 

5首脳が並んだ記念撮影では、当然のごとく、議長当番国である胡錦濤主席が真ん中に立っている。その右手にロシアのメドベージェフ大統領、左手にブラジルのルセフ大統領が立った。中国の場合、ホストの右が主賓である。結局、メドベージェフ大統領が1番、ルセフ大統領が2番、右端のインド・シン首相は3番、左端の南アフリカ・ズマ大統領は4番ということになる。

 

これは円卓会議の席順でもある。

 

女性に敬意を表してルセフ大統領を1番にもってくる手もあるが、BRICSは社交の場ではない。国連常任理事国というロシアの格と、ルセフさんよりずっと長いメドベージェフ氏の大統領在職日数を尊重し常識の線で決めたのだろう。

 

しかし、5首脳のなかでひときわ目立つのは、ある意味では、末席に連なった南アフリカのズマ大統領(67)のほうかもしれない。そもそも、こういう国際政治のヒノキ舞台に登場すること自体が不思議といってもよいほどの問題児。

 

おそらく中国人民のほとんどは、このBRICS新入り大統領の私生活など知らないにちがいない。

 

なにしろ妻が3人、子どもは20人もいるのだ。さらに婚約中の女性もいるとか。もっとも出身部族では伝統的に一夫多妻を認めているので、重婚にもかかわらず黙認されている。「一夫一妻を装いながら愛人や隠し子を持つのに比べ、一夫多妻の伝統を誇りに思う」というのがズマ氏の言い分。そのくせ愛人もちゃっかり持っているのだ。

 

ほかに汚職や詐欺、はてはレイプの疑いなどスキャンダルが絶えない。

 

昨年320日の朝日新聞夕刊は、南ア政府は2009年度だけでズマ氏の家族の諸費用として約19000万円を支出する見通しであることがわかった、と報じている。

 

こんなとんでもない人物をBRICsに招き入れたのは、南アの資源がほしい中国とみてまずまちがいあるまい。

 

〔フォトタイム〕

 

皇居のお濠と菜の花その1

菜の花をみていると、心がやすらぎます。