60代の夫婦がスーパーで野菜を選んでいた。どちらも真剣な表情である。時節柄、念には念を入れている気持ちはよくわかる。

 

ただ、子どもや孫も食べる野菜ならともかく、ふたりだけのものなら、ちょっと心配症も度が過ぎているようにも思えた。

 

すでにスーパーの仕入れ段階で安全性は確認されているはず。還暦を過ぎた世代ならそれほど神経質にならなくともいいのだが、これはそれぞれの性格というものであろう。

 

なにごとも安心第一、という性分の人はけっこう多い。言い換えれば、不安を極度に恐れる、ということで、危険情報や品不足などに思わず身構えてしまうのだ。

 

安全性に関する情報も、危険を知らせる第一報が頭にこびりついて、その後、青信号になってもなかなか判断の切り替えができない。

 

「備えあれば、憂いなし」というから、こういう過敏な性分はリスクに直面したとき、ふつうの性分の人より有利ではあろう。半面、社会の秩序を乱しかねない、困った性分でもある。

 

「なにをおいてもミネラルウォーターだ」

「トイレットペーパーがなくなったら、どうしょう」

「大阪の親戚に乾電池を買ってもらおう」

 

ついつい買い占めに走るのも、安全より安心を優先させる性分にちがいない。

 

〔フォトタイム〕

 

丸の内ブリックスクエアその3

丸の内ブリックスクエアは東京駅から徒歩数分。念のため、案内図を撮ってきました。丸の内の仲通りに面しています。