昼のNHKニュースで、仙台市が5か所の学校のグラウンドを開放して、当分の間、震災ごみを受け入れると報じていた。被災地ではどの家庭も予期しなかった大型ごみを抱えているのだから、こういう場所が設けられると、ずいぶん助かるはずだ。

 

各自がそれぞれの判断で捨てる震災ごみとちがって、やっかいなのが、被災地に散乱するがれきという私有物の山。

 

ひとくちにがれきといっても、所有者にとっては、掛け替えのない宝物かもしれず、その撤去にはさまざまな問題も生じる。

 

わが家に近づけない人たちにすれば、十把一絡げに処分されてはたまったものではない、という気持ちも強いと思う。

 

位牌やアルバムなどは、どんなに泥にまみれ、破損していても、がれきとみるわけにはいかない。がれきのなかからは、実際に大型金庫もみつかっている。これは個人の所有ではないと思うが、一般家庭でも小型金庫や宝石箱をもっている人はいる。

 

撤去作業にあたる自衛隊などは、こういったものをみつけた場合は、ちゃんと決められたところで保管している。

 

しかし、だれがみても判別できる位牌や金庫は極端にすくなく、大半はいうところのがれきである。ここになやましさがあるのだ。

 

いちいち私権を尊重していたら膨大ながれきの山が一刻も早い復興を遅らせてしまう。政府は、私有地への一時的な立ち入りは所有者の承諾を得なくとも差支えないとか、価値のないものは解体、撤去してもいいといった指針を関係7県に通知した。

 

被災者それぞれの感情を理解しつつも、こういう非常事態では、私権が極端に制限されても致し方ないといわざるを得ない。

 

〔フォトタイム〕

日比谷公園周辺その7

日比谷公園も、いざというときの重要な避難場所のひとつです。