国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で企画展示されている「武士とはなにか」が面白い(1226日まで)。

 

織田信長像、武田勝頼軍役宛行状、御成敗式目、豊臣秀吉朱印状、川中島合戦図屏風、陣羽織、徳川慶喜像など約220点。

 

 

このなかから「江戸幕臣出世双六」を紹介しよう。

 

 

幕臣というのは、江戸時代の官僚。この出世双六、どちらかといえば下町の江戸っ子たちより、旗本屋敷の子どもたちの遊びだったのだろう。

 

 

出世双六で興味深いのは、それぞれのポストに付け届けの数が出ている点。ひと目で役得がわかるようになっている。

 

 

いちばん付け届けが多いのは、大老でも老中でもなく、若年寄と側役・奏者番。なぜか。カタログによれば、若年寄は旗本全体の人事権を掌握していたのだという。また、側役・奏者番は将軍のそばにいて実権を振るっていたからだという。

 

 

このへんの機微は、古今東西、どこでもだいたい同じようである。

 

 

当節の草食系の若者は、出世にあまり関心がないというが、江戸時代も後期になると、役職に就きたがらない者や、せっかくポストを与えられたのに辞めたがる旗本もいたという。

 

 

それにしても、旗本の子どもたちは、こういう双六を通してワイロなどの知識を身につけていったのだろうか。

 

 

(しばらくコメントを休みます)

 

 

〔フォトタイム〕

 

 

晴海トリトンその2

 

これが晴海トリトンの正面で、エスカレーターでビルの入り口へと向かっていきます。