朝鮮労働党の人事が決まり、ジョンウン大将は党軍事副委員長になった。予想通りといえよう。ただ、意外だったのは、金正日(キム・ジョンイル)総書記の実妹、金敬姫(キム・キョンヒ)が軍の大将と政治局員になったのに、夫の張成沢(チョン・ソンテク)は政治局員候補にとどまったことだ。

 

両雄並び立たず、という。将軍様は妹婿の張成沢が息子のジョンウンをおびやかす存在になるのを嫌ったのだろう。

 

もっとも、張成沢はもともと妻の金敬姫に頭が上がらないし、金正日にはすくなからず恩義がある。

 

たとえば、そのひとつ。

 

張成沢と金敬姫は金日成総合大学に在学していたとき、恋に落ちた。どうやら金敬姫のほうが積極的だったらしいが、父親の金日成は娘の願いを聞かず、張成沢を農村へ追いやった。

 

頑固な父親と気の強い妹の間に割って入って、この大恋愛を実らせたのが、将軍様だった。

 

有為転変を経て実力者となった張成沢に、まったく野心がないわけではあるまい。しかし、将軍亡きあとはジョンウンと代わってやろう、というところまでは考えていないと思う。むしろ、後見役として強大な影響力を行使していくはずだ。

 

〔フォトタイム〕

 

外務省その4

外務省の周辺には、人通りのすくない、こんな通りもあります。