世界最強の女として、きのうは、レスリング世界選手権(55㌔級)で優勝した吉田沙保里(綜合警備保障)を紹介した。そこで思ったのだが、では、世界最強の男というイメージにふさわしい人物は、だれだろう。

 

最強をどうとらえるかで、ちがってくるが、正解のない問いというのも、それはそれで面白い。

 

時代が、1960年代であれば、文句なしにモハメド・アリをあげたい。年配の人には、カシアス・クレイという名前のほうが懐かしいかもしれない。1960年にひらかれたローマ五輪のライトヘビー級金メダリスト。プロに転向したあとも、とにかく滅法強かった。

 

アリとアントニオ榎木が、戦ったことがある。テレビでみたのだが、最初から防戦いっぽうのアントニオの姿が、いまも記憶に残っている。

 

現代社会では、ウサイン・ボルトはどうだろう。1009582001919の、ジャマイカの稲妻人間だ。

 

最強といっても、なにも格闘技にこだわることはないと思う。秋の運動会でもっとも喝采をあびるのは、ゴボウ抜きでゴールに飛び込むリレーのアンカー。足の早い人間は有史以来、一目おかれてきた。

 

ボルトは、身長196㌢という大型スプリンター。巨体をゆすって駆け抜けていく姿をみたら、獰猛な野生動物でもたちまち逃げだすにちがいない。

 

それでいて、ボルトには、一見ぶっきらぼうのようでいて、そこはかとないやさしさと謙虚さ、そしてユーモアが感じられる。これこそが、パワーだけではなりえない、世界最強の男に求められる条件ではあるまいか。

 

〔フォトタイム〕

 

東京国立近代美術館その7

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