自民党の歴史的な惨敗から一夜あけた。大敗の要因は、なんだったのか。それは、ひとつやふたつではないが、要するに自民党に魅力がなかったということだ。
たしかに、傲慢になったなあ、と思うことがあった。
では、民主党はなぜ圧勝したのか。これも、理由はいくつもあげられるが、やっぱり有権者が自民党政治にあきあきして、なんでもいいから、とにかく変わってほしいと望んだのが大きい。
「チェンジ!」「交代!」「変化!」というフレーズが地殻変動をもたらした。
民主党に投票した人たちの多くは、このまま何も変わらない世の中であれば、不満をつのらせていくであろう。
変化は、目にみえて実感しないと、なかなか納得しないもの。民主党は、いまは、お祭り気分だが、そのうちに有権者の冷たい視線を感じるようになるにちがいない。
いくら、政権をとっても、そうかんたんに国民の財布を重くすることなどできない。
ただ、そのなかで、ひとつだけ、わかりやすいものがあった。株価である。
平成17(2005)年9月11日の総選挙で自民党は圧勝した。翌12日の午前、東京株式市場は、ほぼ全面高となった。朝日新聞のこの日の夕刊によれば、<株価の午前の終値は、日経平均株価が前週末より134円56銭高い1万2826円60銭、出来高は12億株>であったとか。
記事によれば、<市場では、衆院の3分の2以上の議席を与党が確保したことに、「構造改革のスピードがさらに速まる、と外国人投資家らが好感した」(大手証券の株式担当者)といい、朝方の外国証券経由の売買注文も大幅買い越しだった>という。
麻生内閣は、7000円台を1万500円台まで戻した。鳩山内閣には、1万5000円くらいまでひきあげてほしい、とねがっている国民もすくなくあるまい。とりあえずは、鳩山由紀夫首相(予定)へのご祝儀相場に注目が集まる。
<午後零時30分、続報>
果たして、買いか、売りか。午前は、どんどん値をあげて、一時は1万735円に。ことしに入ってからの最高の値上がり幅をみせた。しかし、その後は、どんどん下がって、36円95銭安い1万497円19銭で前半を終えた。
なんだか、鳩山政権の前途を暗示する値動きだが、午後では、どう展開するか。
<午後7時、追加>
31日の終値は、結局、前週末より41円61銭安い1万492円53銭であった。う~ん、キツイなあ。
〔フォトタイム〕
浅草・雷門その1
お馴染みの浅草の雷門です。外国にいらっしゃる方には、なつかしい風景だと思います。
コメント
コメント一覧 (17)
以前のテレビ番組で「今回は自民党にはお灸をすえます」との商店主の言葉は印象的でした。
国民目線を忘れ党利党略に明け暮れた結果でもあるでしょう。
反面教師を見てきた民社党には期待したい。
東京市場も外人買いの比率が高い
国内の反応と見るのは無理が有るのでは?
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-11259820090831?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0
お灸が効きすぎた、と思っている人もいるでしょう。
おっしゃるように、様子見のところはありますね。
小沢さんの勝利、というのは、まちがいないですね。
野党が、弱い人へ、弱い人へ、と支持を訴えていったからだと思います。
これは別に民主党に限ったことではなくて、今回はどの「野党」にも共通した「危機感」のようなものだったように見ています。
残念なことに自民党には「弱い人への暖かさ」がなかった。「冷酷」ともいえる感じがしました。とくに小泉政治が「政治を冷酷なものにしたのだ」という強烈な認識があったのでしょう。
「派遣なんかやっていたやつになんか国会議員が務まるか」といった北陸で戦った「元首相」がおられました。
あの方も、自分が「僅差」で追い上げられて初めて「首切り」にあう「恐怖感」を少しは味わったのではないかと思いました。
能力主義の国会で要らない従業員を「リストラ」をしただけだという「冷たい」国民の冷めた見方は、ここ最近「冷酷」極まりなかった自民党政治への「挑戦」でしょう。
新自由主義を推し進めた候補たちは、文句を言える義理はないでしょう。自分がまさに能力がなかったためにリストラににあっただけですから。
これをいい経験として反省するか、それとも「国民は馬鹿だ」で済ますか、自民党の分かれ道だと思います。
力ある批判勢力・鋭い野党に生まれ変わるために、弱い人たちの「目線」を学習しなければ、自民党はまったく支持を失うと思います。
「冷酷」な党は再生不要で、消滅でもかまいません。
これは大勝した民主党にも、そのほかの党にも言えることだと思います。この支店を忘れるなら、消え去るのみです。
民主の政策の誤りを指摘し改革を実行させる
改革が破綻する前に対案を出す事で
保守の支持を拡大する
成功した改革を維持する事を保障する事で
改革派の支持層に食い込む
これ以外の方法は無いと思う
今まで日本の左右の野党政治に欠けていたのは
反対し相手の政策を実行させる
能力の欠如でしょうね
野党とはその為にある
では、愛想を尽かした自民支持層は、何党へ流れたのですか。棄権したのでしょうか。前回衆院選挙のときの自民の地滑り的勝利は小泉氏の靖国神社参拝だなどというのは、さらにおかしい。
結局はもともと民主党支持のつよい大都市圏の有権者が元の鞘へ戻り、自民党の地盤だった農村部を構造改革の名の下に切り捨てたのが、今回の自民党敗北の主たる原因でしょう。
幸いなことにというべきでしょうか、民主党の主流は小沢連(これならいいでしょ、立派な日本語です)です。小沢氏が真の姿を現すことを期待するのみです。
誤解のないように付け加えますが、私は構造改革を否定するものではありません。遮二無二郵便局の民営化こそ構造改革の本丸だなどと、熱に浮かれて踊り回った改革連、それをあおり立てたマスメディアこそ頭を冷やすべきと考えているだけです。
> お灸が効きすぎた、と思っている人もいるでしょう。<
この選挙の結果を見て「やいと」の類だと認識するようでは「失敗から学ぶ」という能力は無いでしょうね…。
大部分の選挙民が自民党を見放した現象であり、長い間に亘り因循姑息・場当り、済崩しの政権運営を続けて、「反省」はすれども「失敗から学ぶ能力」が衰微した果報だと、私は思量します。
重要な視点だと思います。自民党は、再生にむけて、やるべきことが、たくさんあります。いま、自民党は、首班指名にだれを推すかでもめていますが、今回は、麻生さんでいくのが、筋でしょう。総裁選は、そのあと、時間を十分にかけて、全国レベルで展開すべきです。
自民党が野党に転落したとき、橋本龍太郎政調会長に取材したことがあります。1時間の約束でしたが、2時間ほど、自民党本部の政調会長室にいました。雑談したり、自分の撮った写真をみせてくれたりしたからで、与党のときなら、政調会長はどんなに長くて30分から40分くらいしか時間をとってくれないでしょう。「役人が来なくなったね」と、いってました。そういう冷や飯にたえて、政治家は成長していくのでしょう。
愛想をつかした、という感じですね。まあ、男女の関係ではないので、努力すれば、また呼び戻せると思います。
「失敗から学ぶ能力」、大切ですね。
各派閥の勢力が一回りも二周りも、小さくなりました。
20人の議員の推薦人が必要という規定は、党に大人数が居ることが前提なので、党の人数が激減した今は自民党議員の「一票」が重くなり、逆に地方の党員の票が軽くなりかねません。
地方の意見を聞くなら、反対に「足かせ」になりそうです。党で派閥を超えて一本化した上で、地方に改めて問うべきだと思います。緊急事態ですから。
実際には問題はもっと深刻で、県連の党執行部不信のすさまじさのうえに、医師会などの支持基盤の民主党への移行があります。党員の脱落が加速するものと見られます。実際には千人単位で離党しているというところもある。
公明党や創価学会が自民党との協力関係を見直すとなると、選挙の票が減ります。今回辛勝した人たちも、自民党の相当数が落選するでしょう。
公明党との関係を継続しないという決断を果たして下しうるのかどうか。
自民党にはそれなりに落選してほしくない議員も居ますので、そちらを応援できるような体制を、きちんと作り上げるべきでしょう。(党を分ける、民主やその他の党へ合流し次回は選挙を一から始める、などなど。)
>みんなで民主党や公明党でもどこでも移ればいいのだ。
>
>そうなれば民主党が昔の自民党のようになる。
批判政党として脱皮できるかどうかが問題です。
与党ばかりやっていると、野党のやり方を知らないので、生き残れるかどうかが問題です。
政策的に実のある批判が出来なければ、政党としては完全なる終焉であり、それに変わる批判勢力きちんと国民が育てなければなりません。
情報収集能力は野党になっても維持できますか。
有志の献金だけで党が維持できますか。
理念か、具体か、というならば自民党が「党是を前面に出す」など「理念的」な政党になると一気に崩壊すると思います。
大多数のノンポリな国民はイデオロギーがかった「脳内操作」を「気持ち悪い」と思い「嫌う」んです。あくまでプラグマティックにやる候補者を政党を超えて応援するんでしょう。
民主党が長く政権を維持できるかどうかも、健全な批判勢力が存在するか否かにかかっていると思います。あまりの大所帯ですから、一歩誤ると国を危うくしかねませんし、だからといって「だらける」のも困る。
必要ならば自民党の一部を吸収して、民主党が自らを割って批判勢力を作り上げるのもいいでしょう。少数政党を核にして集まりなおすのも良いでしょう。先鋭化した少数政党でも丸くなるので良いかもしれません。
今のままでは自民党は野党としては役不足です。このままでは自民党が民主党の「金と女とイデオロギー」のスキャンダルくらいしか、すっぱ抜けない低レベルな政党になり下がります。
それこそ、最大の問題でしょうね。
首班指名で、ごたごたしている場合ではありませんよね。
職員もふくめ、どでかい党本部の維持だけでも、自民党はたいへんです。