けさの産経新聞によれば、外務省経済局の男性職員(40)が、都内のホテルのセミスイートルーム(1泊5万2500円)に293日間も長期宿泊した代金、あわせて約1538万円を支払わず、ホテル側とトラブルになっているという。たまげた話である。

 

どこのテレビ局であったか、女性コメンティターがわけ知り顔に、「業務で泊まったならわかりますけれどねえ」なんて述べていたが、これにはあきれた。よしんば仕事のためであったとしても、一公務員が1泊5万2500円の部屋に泊まることは一日だって、許されない。

 

もちろん、自前で払うかぎりにおいては、110万円のスイートルームに泊まったところで、なんら問題はない。記事によれば、本人は謝罪し、「せめて金額を一般客室料金に」と値引き交渉をしているという。

 

外務省職員のたかりの構造を浮き彫りにする騒ぎだが、いくらなんでも、これは常識はずれだ。けさの朝日新聞によれば、この事務官の弁だと、かれはもともとホテルの経営者と知り合いで、「いていい」といわれたので、ホテル側のすすめで、セミスイートルームに泊まったという。

 

まだ伝わっていない事情があるのだろうが、もしこの職員のいう通りだとしても、豪勢な部屋にのうのうと長居していた感覚は、ふつうではない。自分は特別な人間なんだ、という意識があったのかどうか。それとも、ホテル側にもなにか目論見があったのか。

一般の感覚では、スイートというと、別格のイメージがあるけれど、常時空いているのは、スイート。そう考えると、スイートの長期滞在というのは、なんとなくわかってくる。つまり、この場合のセミスイートは、客よりもホテル側の都合でえらばれた可能性がたかい。

いずれにしても、家を出たこの職員の家庭の事情もふくめて、もっと詳細ないきさつを知りたいと思う。

 

〔フォトタイム〕

 

汐留芝離宮ビルディングその4

汐留芝離宮ビルディングは、汐留地区のいちばん南側になります。