あれほど騒がれていた「食の安全」も、イージス艦の衝突事故や、ロス疑惑の再燃などで、なんとなくしぼんだ感がある。しかしながら、一般家庭にとっては、これはエンドレスというか、永遠に無関心ではいられない問題。「週刊東洋経済」2月23日号は、<「食」の戦争>という特集を組んでいるが、そこで気になるデータをみつけた。それは、<世界に依存する日本の食卓――自給率はわずか39%>という項。個々の自給率は、このようになる。
トウモロコシの自給率は…〇%
小麦の自給率は…………13%
大豆の自給率は…………5%
牛肉の自給率は…………43%
豚肉の自給率は…………52%
鶏肉の自給率は…………69%
水産物の自給率は………52%
乳製品の自給率は………66%
生鮮野菜の自給率は……79%
「週刊東洋経済」によれば、このデータの出所は、農林水産省の2006年度確定値で、食料自給率の平均39%(カロリーベース)は、スイス49%、韓国473%を下回り、先進国で最下位とか。もうひとつ、気がかりなのは、食料によっては、輸入国がほぼ1国、ないし数か国にかたよっていることだ。上記の最大の輸入国とその比率は、つぎのようになる。
トウモロコシの最大の輸入国は…米国で96・3%
小麦の最大の輸入国は…………米国で53・8%
大豆の最大の輸入国は…………米国で76・5%
牛肉の最大の輸入国は…………豪州で87・4%
豚肉の最大の輸入国は…………米国で28・4%
鶏肉の最大の輸入国は… …ブラジルで93・1%
水産物の最大の輸入国は………中国で22・4%
乳製品の最大の輸入国は………豪州で28・0%
生鮮野菜の最大の輸入国は……中国で46・4%
これはなにを意味しているかといえば、米国、豪州、ブラジル、中国などの間に、なんらかのアクシデントがあった場合、それぞれの食料がストップする恐れがある、ということだ。低すぎる食料自給率には、もうひとつの不安要素がひそんでいるのを忘れるわけにはいかないのである。
〔フォトタイム〕
亀戸天神その2
「亀戸の天神さま」と親しまれている亀戸天神社は、菅原道真をご祭神としています。
コメント
コメント一覧 (33)
さて、食料だけでなく資源も含めて、本当に危険な状態ですね。
ただ、この平均39%というのは、現在の消費カロリーからの計算だったように思います。昭和30年台の一般的な消費を、現在の人口で修正した自給率ってどれくらいか興味があります。
いずれにせよ、万が一に対する備えは必要だと思います。災害だって、いざという時の食料や資材の供給ルートを用意しているはずです。
最悪の場合の、資源や食料確保の計画はあるのでしょうか?この方法で確保し、この程度の食生活で、企業活動も制限して、それで一年耐えられるとか、その間に次の手を打つとか。
そのような対策計画があるなら、ぜひ読んでみたいと思います。
米沢、あーまた行きたい。。。
小麦自給率13%も意外でしたー!
今日は風邪で休んでいまして・・・。
亀戸天神、むかしその近くでどーしても
ウルトラマンのおもちゃがほしくて、
オレがぐずり(^£^)、おもちゃ屋さんの
息子さんが風呂で遊んでいるのを無理やり
売ってもらったそうです、クスクスクス。
さて、このままでは良いわけは無いのですが、これを政策的に改善するというのはなかなか至難の業ですね。土地の狭さ、人件費の高さ、人口構成など、どれをとっても他国と比べて食料生産に適した環境がもともと無いわけですから、よほど大胆なテコ入れをしないと“心がけ”や“民間の努力”程度のことで自給率の向上は望めないでしょう。かといって、あまり極端に関係産業を保護するような政策も、それはそれで問題があって打ち出し難い。
ばかりか、昨今では世界各地で日本の食料「買い負け」現象が起きていてさらに事態は深刻です。大変乱暴な言い方をすれば、自給率は低くとも、今まではお金を出して他国に買いに行けば一応食料は手に入ったわけですが、最近これもままならない状況なのです。
バーチャルウォーターのことまで考えを及ぼすと、本当に一筋縄で解決する問題ではないと思うのですが、それにしても(それゆえに)、もう少しこの件を深刻に議論するムードがあってもいいと思います。
現在喧しい中国の「食の安全」問題にしても、確かに極めて重要な問題だとに違いありませんが、ヒステリックにこの件だけを俎上に上げるのではなく、もっと大局的に食品を通じた中国やその他の国との関係を真摯に見つめ、早期に食料行政上の対策を打ち出すべきだと切に思います。
亀戸天神の亀は、とても元気でした。
災害などのときの食料は、各自治体で当然、ある程度は確保していると思います。それぞれに個別で用意しておくべきことは、いうまでもありませんが。
たしかに牛肉は、意外に自給率が高い、といえるかもしれません。5割以上になったら、すばらしいのですが。
おっしゃるとおりですね。農林水産省や、商社は、早くから深刻な事態に気づいているのでしょうが、どういう手をうっているのか、シロウトにはなかなかみえてきません。
災害同様、輸入が困難になった場合の対策も、今から考えておいて欲しいですが、多分されて無いような気がします。もちろん地道に自給率を上げる対策が最重要ですが、なかなか難しいみたいですね。
とうもろこし、小麦、大豆が米国で、これらの値上げで、
日本の食料品、畜産品から養魚まで、値上げは当然ですね。
だから、国民が「ねをあげる」訳です。
亀戸天神の稚児行列は、息子が参加したことや、
鷽替え、節分、神忌祭、初詣、菊祭り、七五三、梅・藤祭りなど、など。
キムラヤでパン屑貰って、亀にやったり、懐かしいな。
そのうえ、食料の一部が燃料になって、やっかいなことになっています。いま米が、さまざまな方途でつかわれています。日本人の物心両面に、深くかかわってきた米の抜本的な見直しも考えてほしいものです。
いずれにしても寡占状態というのは、好ましくありません。国家の基本は、食にあり、といった気概の政治家はいないのでしょうか。
亀戸天神、思い出がいっぱいで、うらやましいですね。
日本の作物は低農薬か無農薬で安全を売り物にして、付加価値のある輸出産業になるかもしれません。
お米でバイオエタノールですか?
うーん、私のような年代の者には、大島さんがおっしゃるように、お米は日本人の道徳や価値観にも通じるもので、ちょっと抵抗があります。
保護すれば、利権が、自由にすれば過当競争が… 難しいバランスなのでしょうが、なんとか日本の基盤であるお米を守って欲しいですね。やっぱり古い考えかも。
今回もいい記事を拝見させていただきました。
大変勉強になりました。
どうもありがとうございます。
反捕鯨を推進すれば、豪州はもっと日本への輸出が増えるってことかな。
いろいろな背景がありそうですね。
貴重なデータありがとうございます。
たとえば、外国の富裕階級が、日本の高級米を求めています。このように、<日本の作物は低農薬か無農薬で安全を売り物にして、付加価値のある輸出産業になる>可能性は大だと思います。
コメは、あくまでもコメであってほしいと、わたしも思っていますが、現実には、化粧品などの開発がすすんでいるようです。
わたしも、最近は、なるべく食に関心をもつようにしています。
クジラに興味があります。たべるほうも含めて。それで、渋谷でたまに、クジラをたべます。
外国へ行きますと、麦と文明の濃密な関係を感じます。日本は、コメ文化の陰で麦の存在感が薄めらていますが、ほんとうは、麦って重要なんですね。
貴重なデータをありがとうございました。
食料の自給率は39%だそうですが、多くの食料を遠くから輸入しているため、フードマイレージの総計は9千億tkmで、米国の3倍、英国の5倍だそうですね。
如何に多くの二酸化炭素を出しているかが分かります。
私は石油会社に勤務していたのですが、日本の石油の輸入率は99%で、食料よりもはるかに低い自給率です。
ハウス栽培は重油を使って暖めるため、路地物に比べて多くの二酸化炭素を排出します。
このような日本の食料や石油の事情をもっと考慮して、自給率向上の地道な施策を実施していく必要があると重います。
インド洋の給油も再開されて、石油の安定供給にも貢献すると思います。
米の減反で耕作を放棄した田畑があるにも係わらず有効利用する手段を講じないのはどうしたものか?
遅い対応は今に限らず将来にも影響を残します。
バイオエタノールも総合的な観点からは検討されているとは見えませんね。
縦割り行政の弊害は決してほめられる事ではないんですけどね~
民間人が感じているのに役人が鈍いのは納得できない。
たしかに肉をたべることは、結果としてその何倍ものトウモロコシを消費しているわけですね。
<石油の輸入率は99%>という数字をみますと、わかっていることでも、ガクゼンとします。
減反政策は、それはそれで根拠があるのでしょうが、情勢の変化に農政が敏速に対応しているのかどうかが、気になります。
たしかに社会様式の変化、食文化の変質をみるべきでしょう。ただ、統計的なものを観察するのも、ときには参考になると思います。
あの番組は、わたしもみました。時代の変化というのでしょうか、胸が痛みみました。
休耕田の活用と、作物の刈り入れ後はペーター(羊飼い)の出番。
羊や豚・牛でもいい、餌は只だし、糞が肥料になる。
耕地と家畜のバランスが、日本人の肉食率になれば
メタボリック解消で年間35兆円とも云われる医療費削減になり、
人口減少が良い循環になるかもしれません。
国・自治体の借金は税収50兆円の17倍です。
年収500万円の家庭に8500万円の借金があり、
さらに毎年300万円の借金を重ねるのは続けられません。
人口減少による税収の減少を上回る支出の減少が必要です。
支出を減らすにはまず早期発見早期治療から健康増進に
いち早く転換して医療費削減を願います。
自己負担30%であれ、残り70%の健康保険料はすでに払って
あるのだから、結局のところ負担率100%に変わりはありません。
人孔減少に伴って公務員はどんどん減っていただく。
国のすることは、国防・外交・教育・徴税・中央銀行くらいでよいのでは?
「大きい政府」から「小さい政府」へ。なんとかその方向でいかないと、たいへんなことになります。
まず医療費削減では救急車問題や医療従事者の疲弊、福祉代わりにされている矛盾を改善しない限り、個人の努力におんぶする理不尽な状態を助長するだけで、国の医療・福祉行政は存在を問われるでしょう。
おっしゃるような、<個人の努力におんぶする理不尽な状態>は、早く改めなければいけないと思います。