アメリカの大統領選で、もうひとつ、面白い対決が誕生した。ヒラリー・クリントンの支持を表明したニューヨーク・タイムズ(電子版)と、バラク・オバマ支持のケネディ家の戦いだ。ニューヨーク・タイムズといい、ケネディ家といい、アメリカのエスタブリッシュメントの象徴的な存在。日本のメディアも、いつも不偏不党であるわけではないが、ニューヨーク・タイムズのように、はっきりと支持表明することは、まずない。どちらも、これまでの威光、栄光、メンツをかけた負けられない一戦となった。

 

大阪府知事選では、自民党は徹底的に、身を隠した。まるで忍者部隊のようであった。ニューヨーク・タイムズや、ケネディ家のような派手な応援パフォーマンスをほんとうは展開したかったのだが、じっとガマンの子を通した。民主党は、アメリカ並みに堂々と正攻法の選挙戦をおこなった。党首みずから、国会をサボってまで、大阪に乗り込んだが、裏目に出てしまった。民主党は、橋下徹氏を単なるタレント候補とみていたようだ。しかし、これは見当ちがいで、大阪府の有権者の多くは、ちゃんとみているところは、みていたのである。

 

選挙応援というのは、なにも街頭で候補者と並んで演説することだけではない。候補者のマニフェストづくりに知恵を貸すなど、さまざまな方法がある。宮崎県の東国原英夫知事は、早稲田大学でみっちり行政を勉強し、早稲田ラインのブレーンの支援をうけていた。橋下新知事も早稲田出身で、東国原知事とメル友だというから、そういうノウハウは聞いていたかもしれない。周知のように橋下さんの指南役は、作家の堺屋太一氏。堺屋氏は、大阪では抜群の著名人だから、選挙期間中、それを隠すことはなかったが、有名人であれば、だれでも大歓迎というわけではなかった。水面下では、橋下陣営の応援弁士は、ひとりひとり厳選されていたのである。

 

〔フォトタイム〕

 

万世橋その3

秋葉原は、いまや世界的な観光スポット。いきおい、万世橋も秋葉原方向が、活気づいています。