中国は共産国家だという。そして主席の習近平はコミュニストだという。果たして、そうだろうか。マルクスが生きていたら、中国は共産国家だとか、習近平はコミュニストだとか、そんなことは認めなかったであろう。

 「なにが、コミュニズムだ。あの男の考えというのは、民族主義にすぎない。いや、ひょっとしたら、貴族主義かもしれないよ。なぜなら、いまキツネ狩りに夢中というじゃないか。イギリスを見るまでもなく、貴族たちはキツネ狩りが大好きなんだよ」

 こうマルクス先生がおっしゃったわけではないが、習近平主席が目下キツネ狩りに夢中なのは事実である。ただし、この場合のキツネは人間、もっと具体的にいえば、海外に逃亡した中国の汚職官僚のことである。
 習近平政権の汚職摘発作戦は、とどまるところを知らない。これからも取り締まりの手をゆるめることはあるまい。なぜなら、これしか中国共産党政権が生き延びる道はないからである。
 しかし、汚職役人の側も手をこまねいて傍観しているわけではない。かれらの一部はすでに家族と莫大な資産をたずさえて海外へ逃れている。その数、ざっと2万人前後。かれらが持ち出した資産は天文学的な数字になる。習近平政権は海外に逃げた汚職官僚をキツネと呼ぶ。要するに習近平のキツネ狩りとは、海外へ逃げた汚職官僚の摘発のことだ。
 中国のキツネたちが好む逃亡先は、アメリカ、カナダ、オーストラリアの3か国だという。いや、ひょっとしたら、日本にも中国のキツネたちがけっこうたくさん潜んでいるかもしれない。なにしろ、いまは日中関係がよくないうえ、日本は隠れ家に事欠かないからだ。