2012年10月

都知事選が12月におこなわれる。まさにハプニング選挙だ。都知事ともなれば、首相選びのつぎくらいに関心も高い。どういう顔ぶれになるのか。

 

ひょっとしたら告示直前まで本命が登場しない可能性もある。石原さんもそうであったが、いちばんさいごに名乗りをあげても決して遅くないのが、都知事選の特殊性だ。

 

なにしろ選挙区がけたちがいに広大だ。必死に選挙運動で走り回ったところで、行動範囲はたかが知れている。

 

メディアにどう報道されるかが、決定的に重要なのだ。

 

現時点では、石原さんが後継者として名前をあげた筆頭副知事の猪瀬直樹さん(65)が、ご本人の意向に関係なく一応本命といってよい。

 

おそらく猪瀬さんは立候補すると思う。また、そうするのが筋というものだろう。

 

前回の都知事選で169万票をとって次点だった東国原英夫さんもたぶん立候補するのではあるまいか。

 

石原さんの後継者は自分と思っていた松沢成文さん(前神奈川県知事)の胸中は複雑であろう。イチかバチかで、立候補するかもしれない。

 

民主党に勢いがあれば、蓮舫さんの出馬もあり得た。しかし、もう当選の見込みはないので立候補はあるまい。

 

土壇場で出てきそうなのが、舛添要一さん。しかし、たぶん12月の告示寸前まで息をひそめているだろう。

 

〔フォトタイム〕

 

SHIBUYA109その5

こんな作品がありました。

 

 

石原慎太郎さんが都知事を辞任した。衝撃的なニュースだ。唐突のように思えるが、そうではない。石原さんは大胆な発言をする一方で、けっこう綿密に計算して行動するタイプだ。

 

今回も十分に検討し尽くした末の決断であろう。後継として石原さんは副知事の猪瀬さんの名前をあげた。猪瀬さんが候補の軸になりそうだが、自民党はどう対処するか。あるいは、前神奈川県知事はどうするのだろう。

 

いずれにしても石原さんは、新党結成にむけてルビコン川を渡った。橋本旋風に石原旋風、このふたつの大型台風がどうからみあっていくのか。こんごの政局の注目点だ。

 

それにしても、なぜ石原さんは国政にカムバックする気になったのか。記者会見で石原さんは、政府や官僚への不満を述べていた。これまでずっと言いつづけてきたことで、もはや自分が国政を担うしか方法はないというのが、やはり決断のいちばん大きな理由と思う。

 

半面、正直にいってモチベーションの変化もあったのだろう。

 

東京都知事は、そんじょそこらの国のトップなど足元に及ばない存在感がある。石原さんも当初は首都のトップに全情熱を傾けていた。その情熱にいつしか変化が生じたのは否めない。

 

そうさせたのは、国政の停滞だ。

 

石原さんが去ったあとの中央政界は、石原さんから見れば、ずいぶんと様変わりしていったはず。

 

いってみれば、小粒の政治家の集まりと、石原さんの目には映った。とりわけ器の小さい政治家が官邸を牛耳っていく姿に、石原さんははがゆさを感じていたにちがいない。

 

それに石原さん自身の年齢も背中をおした。1932(昭和7)年930日うまれだから、これがさいごの賭けである。

 

終戦処理の重責を担った鈴木貫太郎は77歳で首相に就任した。当時の平均年齢からすれば、いまなら88歳くらいであろう。その点からいって、石原さんの年齢は首相を狙ってもおかしくはない。

 

また、石原伸晃さんの自民党総裁選の敗北も無関係ではあるまい。

 

〔フォトタイム〕

 

SHIBUYA109その4

このビルには124の店舗が入っています。

 

 

野田さんの法相人事にはがっかりした。選りによって前任者を引き戻すとは、安易すぎる。これでは、こんどの改造人事で交代した意味がない。ほとほと呆れてしまう。

 

それに再登板を命じられた滝さんのコメントもひどかった。「やっと肩の荷がおりたのに…」と、いかにも有難迷惑そう。やる気のない人を大臣にしてはいけないのだ。

 

結局、急の身体検査に耐えられる人が見当たらないということでもあろう。それほどまでに、民主党には人材がいない、ということか。

 

この滝さんだって、何日もつか、わからない。というのは、冗談だが、ブラックユーモアの一つもいいたくなる。

 

なにしろ民主党政権では、たくさんの法相がつぎつぎと入れ替わった。

 

あれよあれよという間に8人?それとも9人? 

 

粗製乱造とはいわないけれど、これではひどすぎる

 

〔フォトタイム〕

 

SHIBUYA109その3

こんなオブジェがありました。

 

 

きょう発売の週刊朝日112日号には冒頭見開き2ページをつかって、河畠大四(かわばた・だいし)編集長の「おわびします」が掲載されている。その前の目次のトップも「おわびします」だ。以下は、その全文である。

 

<おわびします         編集長 河畠大四

本誌1026日号の緊急連載「ハシシタ 奴の本性」で、同和地区を特定するなど極めて不適切な記述を複数掲載してしまいました。タイトルも適切ではありませんでした。このため、18日におわびのコメントを発表し、19日に連載の中止を決めました。橋下徹・大阪市長をはじめ、多くのみなさまにご不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことを心よりおわびします。

編集部にも電話やメール、ファクスなどで、「差別を助長するのか」「チェック態勢はどうなっているのか」といったご批判の声が多く寄せられました。ご意見を重く受け止めています。

この連載は、編集部がノンフィクション作家・佐野眞一氏に執筆を依頼しました。今年9月に「日本維新の会」を結成してその代表になり、次の衆院選では、第三極として台風の目になるとも言われる政治家・橋下氏の人物像に迫ることが狙いでした。差別を是認したり助長したりする意図はありませんでしたが、不適切な表現があり、ジャーナリズムにとって最も重視すべき人権に著しく配慮を欠くものになりました。

この記事を掲載した全責任は編集部にあります。記事の作成にあたっては、表現方法や内容などについて、編集部での検討だけではなく、社内の関係部署のチェック、指摘も受けながら進めました。しかし、最終的に、私の判断で第1回の記事を決定しました。

多くの関係者を傷つける事態をまねいたことについて、深く反省しています。読者のみなさまにもご迷惑をおかけしたことをおわびします。

今回の反省を踏まえ、編集部として、記事チェックのあり方を見直します。さらに、社として、今回の企画立案や記事作成の経緯などについて、徹底的に検証を進めます>

 

このおわびでは、記事チェックのあり方を見直すと編集長は述べているが、わたしの経験からいえば、態勢自体は万全であったと思う。

 

「えっ、これだけの大問題になって、万全とはなぜ?」といぶかる向きも多いと思う。しかし、かつて編集作業に従事していた者からみれば、<記事の作成にあたっては、表現方法や内容などについて、編集部での検討だけではなく、社内の関係部署のチェック、指摘も受けながら進めました>というのだから、これで十分。ふだんは、ここまで慎重におこなうことはない。

 

かんたんにいえば、態勢は万全だったが、それに携わっていた編集長以下の人たちの本性と見識に問題があった、ということだ。この記事にかかわった人たちのだれもが、結果として、「ハシシタ 奴の本性」という表現を是とした。

 

つまり、今回の週刊朝日事件の本質は、記事チェックのあり方とか、企画立案や記事作成の経緯などは二の次で、この記事にかかわった編集長らの品性と常識が最初に問われているのである。

 

〔フォトタイム〕

 

SHIBUYA109その2

SHIBUYA109は、渋谷でももっとも賑やかな道玄坂交差点に面した角地にあります。

 

 

尼崎事件の渦中の人物、角田(すみだ)美代子(64)が暮らしていたマンションの部屋がテレビで放映されていた。

 

もし「趣味の悪い部屋」というコンテストがあれば、上位にランキングされるのはまちがいあるまい。

 

ここまで悪趣味というのは、そうめったにお目にかかれるものではない。

 

けばけばしい応接セット。裸の人間を脚にデザインした特注のテーブル。こういう派手なところで女は悪巧みの采配を振るっていた。

 

以前、これと似たような応接室をどこかで見たような気がした。

 

あっ、そうか。あれはバブル期。土地成金の豪邸だった。

 

部屋にかぎらず、こういうごてごてした悪趣味のものに接すると、あらためてシンプルな美しさを思う。自分の居場所に家具など、なに一つなかったらどんなにいいだろう。

 

とはいえ、実際にはいうは易しの、「シンプル・イズ・ビューティフル!」である。

 

〔フォトタイム〕

 

SHIBUYA109その1

SHIBUYA109(イチマルキュー)は東急系のファッションビルです。

 

 

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