2012年09月

野田さんが、岡田さんを頼りにしているのはまちがいない。こんどの改造内閣でも副総理留任できまりであろう。安住さんが幹事長代行に転出するので、副総理兼財務相か。財務相なら岡田さんも満足のはず。

 

問題は前原さんの処遇である。政調会長として税と社会保障の一体改革ではそれなりに汗をかき、代表選でも野田支持できたのだから、まさか冷や飯をくらうことはあるまい。

 

ただ、細野さんの代表選出馬騒動のとき、かれの出馬の動きを積極的に止めなかったことが、野田さんにはひっかかっていると思う。それが、どう影響するか。

 

まあ入閣が妥当の線であろう。ただ、プライドの高い前原さんとしては、どのポストでもいいわけがない。ひそかに狙っているのは、外相の返り咲き。

 

たしかに、前原外相は座りはわるくない。ただ、時局多難の折、ここで玄葉さんを外相からはずした場合、中国や韓国などにへんなふうに解釈されかねない、という懸念がある。

 

外交では自信のある前原さんにとっては、なんとも歯がゆい局面であろう。

 

〔フォトタイム〕

 

JR目白駅その2

駅前はご覧のように眺望がひらけています。

 

 

野田さんは細野さんを政調会長に抜擢した。大臣として実績を積むのもいいが、将来を考えればやはり政調会長はおいしいポストだ。これで細野さんは原口さんに、フルマラソンにたとえれば、1㌔ほどの差をつけた。

 

3年前、民主党が勢いのあった頃は、原口さんが10㍍ほどリードしていたときもあったが、もはやふたりの間は勝負あり、である。

 

こういう結果になったのは、細野さんが代表選の出馬を思いとどまったからだ。若手議員らの誘いに乗っていたら、どういう展開になっていたか。野田さんに勝つ確率はそう高くなかったと思う。

 

人生なんて紙一重なのだ。

 

ただ、陽の当たる道ばかりを歩いてきた細野さんは、これから党内で陰湿なイジメに遭うかもしれない。だいたい、同じ党員とは思えないほどに考えがちがっている人がすくなくない。

 

政策の責任者として、てんでんばらばらの人たちをまとめていかなければならない。細野さんには、大阪のあの人とちがって、叩かれると弱いところがある。

 

それに、つぎの総選挙で民主党が政権の座をおりる確率はきわめて高く、細野さんの前途があかるいわけでもない。野党に転落したら、政調会長といえども、冷や飯に耐えなければならないのだ。

 

〔フォトタイム〕

 

JR目白駅その1

なかなかしゃれた駅舎のJR目白駅です。

 

 

けさの産経新聞によれば、22日、さいたま市でひらかれた拉致被害者の早期救出を求める集会で田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(35)は、つぎのように支援を呼びかけたという。

 

「八重子さんとのほんとうの親子関係をスタートさせるために、最初に伝えることばは、『お母さん』だと思っています。このことばを一日でも早く伝えられるよう、皆さんのご協力をいただきたい」

 

八重子さんが拉致されたとき、耕一郎さんはまだ1歳だった。現在、家族会代表をつとめる伯父の飯塚繁雄さん(74)に引き取られて育った耕一郎さんは、いまもじつの母親を八重子さんと呼ぶ。

 

飯塚繁雄さんの著書『妹よ――北朝鮮に拉致された八重子救出をめざして』(日本テレビ放送網、2004年)のプロローグ「真実を告げた日」から、その一部を紹介したい。

 

14年前の、まだ残暑が厳しい9月の、ごくふつうの日曜日だったという。その年、コンピューター会社に就職した耕一郎さんは、アパート暮らしだったが、週末なので家に帰ってきていた。

 

<たまたま家内は外出しており、家にはわたしと耕一郎のふたりしか残っていませんでした。昼下がり、居間にいると、耕一郎がいつもと変わらない調子で、「あのさあ、会社でアメリカ研修があるからってパスポートつくろうと思って、戸籍謄本を取りに行ったんだけどさ…」と話しだしたのです>。

 

耕一郎さんは、繁雄さんをじつの父親と信じていた。戸籍で初めて“養子”と知って驚いたが、話を切り出した耕一郎さんはさりげない口調だった。

 

繁雄さんも、「ついに来るときが来たか」と思いながら、不思議なことにまったく動揺しなかった。

 

<耕一郎にはいつか真実を話さなければ、とずっと思っていました。高校を卒業したときに、と思いましたが、話そう、話そうと思っているうちに、ずるずると月日は流れていきました。二〇歳になったときこそ話そう、と思ったのですが、やはりタイミングを逸してしまい、その年、耕一郎は二一歳になっていました>

 

繁雄さんは、寿司屋に耕一郎さんを誘って、初めて真実を話したのだった。

 

〔フォトタイム〕

 

雷門その7

提灯の重さは、約700㌔㌘だそうです。

 

 

14連勝、ついに日馬富士が横綱を確実にした。仕切りのおしまいで土俵すれすれまで上体をさげて、相手を下から睨んだ日馬富士の気迫に鶴竜はなすすべもなかった。

 

大相撲秋場所は初日から連日、日馬富士一色という感じだ。

 

強い力士がフットライトを浴びるのは当然だが、おかげで前半の白鵬はすっかりかすんでしまった。

 

前半、NHKニュースでとりあげるのは、日馬富士と稀勢の里で、気の毒に白鵬はカヤの外であった。

 

しかし、白鵬抜きの大相撲はあり得ない。

 

後半、優勝争いから稀勢の里が脱落したあとも一敗を堅持し、場所を盛り上げてきたのはやはり白鵬であった。

 

今場所の白鵬は気力も充実し、ときおり全盛期を思わせる相撲を見せていた。とにかく目つきがちがっていた。

 

なんだかんだいっても、大相撲を背負っているのは白鵬である。

 

白鵬に似て、健闘している割に注目されないのが、NHKの大河ドラマ「清盛」。これまでの大河ドラマのなかで十指に入る重厚な内容なのに、画面が暗いとか変なところでケチをつけられてしまった。

 

観光地の宣伝にしようとしている人たちは、たしかにがっかりしたかもしれない。しかし、宣伝のためにドラマがつくられているわけではない。

 

たぶん、「清盛」は番組が終わってから人気がじわじわと出てくるにちがいない。「そんな番組は意味がないよ」といわれそうだが、遅咲きの花というのは、テレビドラマにだってあってよい。

 

われらが白鵬と清盛の運命やいかに。ファンのひとりとして、明日の千秋楽と夜のドラマが楽しみだ。

 

〔フォトタイム〕

 

雷門その6

雷門のまわりは若者たちでいっぱいでした。

 

 

 

民主党の代表選は予想通り、野田さんの圧勝だった。開票の様子をNHKテレビで見ていたが、緊張感ゼロのライブ放映であった。なにもムリしてテレビに付きあうこともなかった。

 

もっとも、面白いのはこれからの役員人事、内閣改造だ。

 

さあ、輿石さんをどうする?

 

自民党をはじめ野党は、まちがいなく輿石さんの続投を期待している。輿石さんは日教組の出身だから、労組などへの影響力はそれなりにある。

 

とはいえ、無党派層などを引きつける魅力はまるっきりない。どちらかといえば民主党の融通のなさを象徴しているような人だから、野党にとって輿石さんの留任が好ましいのだ。

 

野党が警戒しているのは、細野幹事長である。細野さんが幹事長になったところで、民主党が総選挙で勝てるはずもないが、輿石さんよりは手ごわい。

 

この交代人事は、岡田さんや前原さんがナットクすれば、あり得る。

 

野田さんは、代表選に出馬した3人組に何の義理もないが、出馬を取りやめた細野さんの処遇にはそれなりの配慮をするはず。

 

ただ、野田さんは、つぎの総選挙のことよりも残された任期のなかで完全燃焼するほうを選ぶ可能性が高い。そのときは、問題は多いけれど、党内の無用な摩擦をさけるために、輿石さんの続投ということになる。

 

〔フォトタイム〕

 

雷門その5

雷門に鎮座する女性姿の金龍像です。

 

 

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