7月9日の当欄で、<NHKニュースが金正恩(キム・ジョンウン)のそばにいた妙齢の女性を妹か、妻ではないかと報じていた。妻ではなく、妹の金ヨジョンにまちがいない>と書いた。
残念ながら、これはわたしのまちがいで、彼女は妻であった。訂正をかねてすこしふれておきたい。
韓国の聯合ニュースは25日、北朝鮮の朝鮮中央通信がこの日におこなわれた平壌(ピョンヤン)の遊園地の完工式に金正恩が、リ・ソルジュ夫人をともなって出席したと伝えたと、報じた。
前回も今回も第一書記と一緒にいた妙齢の女性は同じ人であり、北朝鮮公式メディアの報道でまぎれもなく妻というのが、これで確認された。
金正恩の生母、高英姫(コ・ヨンヒ)は金正日(キム・ジョンイル)と正式には結婚していなかった。金正恩もこの女性と結婚式を挙げているかどうかはわからないが、形式はともあれ、正妻と見てよかろう。
韓国の柳佑益(リュ・ウイク)統一相も国会の委員会で、「金正恩夫人とみている」と答弁したという。
リ・ソルジュという漢字名はわかっていない。「李雪主」という字をあてているメディアもあるが、まだ正式には確認されていない。
リ・ソルジュ夫人は北東部の清津(チョンジン)出身といわれている。
高英姫は万寿台(マンスデ)芸術団のトップスターであった。リ・ソルジュもまた芸術団出身という情報がある。高英姫は踊り子だったが、リ・ソルジュは歌手だったとか。
北朝鮮の党や軍の幹部の息子たちは、芸術団などの踊り子や歌手と結婚するケースがすくなくない。
また、リ・ソルジュ夫人は金日成総合大学の卒業生という情報もある。
いずれも未確認情報だが、彼女が北朝鮮のファーストレディーとしてこれからメディアを賑わすのはたしかであろう。
軍の実力者を排除したり、妻を同伴して安定した家庭をアピールしたり、金正恩のメディア演出はなかなか大胆かつ細やかでバラエティーにとむ。
〔フォトタイム〕
二重橋その4
バッキンガム宮殿のように華麗な近衛兵の交代には及びませんが、皇宮警察の警護担当官の交代がここで見られます。