2011年01月

人生の究極のエクスタシーは、全身全霊をもって、ひとりの人間に尽くすことである。断じて尽くされることではない。

 

「尽くす」という表現は、恋愛感情とか、肉親の情愛などにつながりやすいが、いまわたしがテーマとして想定したいのは、忠誠心である。

 

織田信長と森蘭丸の関係を性的にとらえると、重苦しくなるが、純粋な主従関係からみると、だれしも蘭丸の忠誠心にうたれると思う。

 

蘭丸のような正真正銘の忠誠心は傍目にも美しいし、そもそも人間はできればだれかに忠誠を誓いたいという欲求を潜在的に持っていると思う。

 

ただ如何せん、忠誠を誓うといっても、会っただけで身震いするような格上の人物との出会いはめったになく、あったとしても、信頼を得る確率はきわめて低い。得難い人を知り、かつ知られ、存分に忠誠心を発揮できた人は、10万人にひとりくらいではあるまいか。

 

充実した人生を過ごせた、うらやましい人たちである。

 

もっとも、いかにもそれらしい、忠誠心を装ったパフォーマンスとなれば、これはゴマンといる。とくに目立って多いのが政界で、あちらこちらで忠誠心合戦が展開されているのは周知のとおりである。

 

そのなかで、忠誠心の決算期が近づいてきたのが、小沢一郎さんのもとにはせ参じたセンセイ方。そろそろ忠誠心の損得勘定を見極めるタイミングにさしかかったのである。

 

蘭丸のごとく親方に殉じるか、それともしれっとして、後ずさりしていくか。はたしてどちらが有権者の好感を得るのか、それぞれに思案のしどころであろう。

 

〔フォトタイム〕

 

日比谷ネオ屋台村その3

日にちによって、あるいは昼と夜では、屋台の台数もちがっているのでしょう。

 

 

一部メディアによれば、AP通信が気になるニュースを伝えているという。中国のステルス戦闘機「殲20」に盗作、盗用の疑いがあるというのだ。事実とすれば、中国の知的財産権侵害は、なんのことはない国家ぐるみの、とんでもない悪癖ということになる。

 

いや、悪癖などではなく、したたかで、老獪な、中国のたくましい情報力というべきか。

 

19995月、コソボ紛争に参戦した米軍を主体とするNATO軍がセルビアを空爆した。そのとき、世界初といわれる米空軍のステルス機「F117ナイトホ―ク」が、セルビア軍の地対空ミサイルによって撃ち落とされた。

 

最新鋭の戦闘機は、バラバラになって農地に散乱し、セルビア当局によって撤収された。その一部はいまもベオグラードの航空博物館に展示されているというが、じつはかなりの部分を地元民がこっそり持ち帰っていた。

 

クロアチア軍の当時の参謀総長がAPに語ったところによると、その後、中国の情報工作員が足しげく墜落現場周辺を歩き回って、米空軍ステルス機の残骸を買い集めていたというのだ。

 

この記事を読んで、もうひとつ思ったのは、中国当局の執念深さである。同じ年の199958日、ベオグラードの中国大使館が空爆に遭って3人が死亡した。犠牲になったのは新華社の記者らで、大使館に記者がいたことが不思議で、いまも覚えている。

 

米軍は誤爆だと謝罪し、賠償金も支払ったが、中国当局はおそらくいまだに誤爆とは思っていないはず。おそらくは、大使館爆撃に対する恨みも重なって、根気強く米空軍ステルス機の残骸集めに駆り立てたのではないかと思う。

 

いずれにしても、ベオグラードの中国大使館誤爆事件が米中の軍拡競争を語るうえで、決定的に重要なのはまちがいあるまい。

 

〔フォトタイム〕

 

日比谷ネオ屋台村その2

訪れたのはクリスマスの前でしたので、こんな飾りがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

事件の登場人物は姉と妹、それに男ふたり。この4人が茨城県龍ヶ崎市のアパ―卜で同居し、なにがあったのか、妹の女子学生(20)が衰弱死した。ことし13日、死体がみつかって、事件が発覚。警察は22日、同居していた3人、無職の姉(22)と、無職の男(23)、それに派遣社員(43)を殺人の疑いで逮捕した。

 

インターネット時代の典型的な事件で、じつにわかりやすい面もあれば、不可解な点もある。単純性と複雑性がからみあっているのが、昨今の事件の特徴で、とりわけ当事者の心理がなかなか解けない。

 

人間関係のつながりからいえば、まず奈良県出身の姉と、龍ヶ崎市に実家のある無職の男が、サイトで知り合い、昨年6月から龍ヶ崎市のアパートで一緒に暮らしはじめた。どこにでもある、ごくありふれた話である。

 

やがて、そのアパートに男のネット仲間だという派遣社員が転がり込んできた。姉は奈良県に住む母親(58)に「ルームシェア」と説明していたという。事実かどうかはともかく、家賃を低く抑えるためというのは、一応理屈は通る。

 

しかし、途端にわからなくなるのは、そこへ関西の大学を休学して妹も同居をはじめたということ。

 

かれらは生活費をどう工面していたのか。男どもは姉妹の母親から現金をだまし取っていたようだが、いずれにしても奇妙な共同生活でナゾが多い。

 

いちばん不可解なのは、衰弱死した女子学生は、24時間見張りをされ、監禁されていたわけでもないのに、なぜ警察にも訴えず虐待に甘んじていたのか。

 

これからの捜査を注目し、この飽食の時代に衰弱死した経緯を詳しく知りたいと思う。

 

〔フォトタイム〕

 

日比谷ネオ屋台村その1

昨年12月、日比谷の旧三信ビルディング跡地に店開きした日比谷ネオ屋台村を撮ってきました。

 

 

 

けさの産経新聞によれば、13800円もする豪華本「美空ひばりトレジャーズ」(日本コロムビア刊)が発売3日間で6000部を突破する売れ行きをみせているという。亡くなって22年というのに、いまなおテレビでも折々に登場するなど、ひばり人気はいっこうに衰えていない。

 

美空ひばりには、ずっと関心をいだいてきた。生前、なぜインタビューを申し込まなかったかと、いまだに悔やんでいる。歌謡界には縁がなかったので、OKをもらえる確率はかぎりなく低かったにしても、ダメモトでいいのだから、とにかくアプローチすべきだった。

 

じつは、本気になったことはあったが、結局、アクションをおこす勇気がなかった。直前に足がすくんでしまったのである。女王には、とても近づけない雰囲気を感じていた。

 

しかし、実際のひばりさんは、まったくちがう実像の人であったように、いまは思っている。こちらが勝手に虚像をふくらませていたのである。

 

「潮」平成221月号の<柴田理恵のワハハ対談!>でゲストの雪村いづみさんが、美空ひばり、江利チエミの思い出を語っているが、そこには、ひばりさんの実像がすこし出ていた。

 

「もう、ほんとうに楽しい時間を過ごしたのよ、3人で。撮影所でも、ひばりさんは立派な控え室を持っているのに、昼休みになると、わたしたちのところにお弁当を持ってきて、一緒に食べてね。ひばりさんは笑い上戸(じょうご)で、チーちゃんがちょっと面白いことをいうと、笑い転げて」

 

「でもね、チーちゃんは心配性でね、何でもわたしに聞いてくるの。人は見かけによらないというけれど、その見本がふたりだと思う。「お高い」と思われていたひばりさんが、じつはいちばん無邪気で、何でもエンジョイする人で、スタッフとかにもいちばん気を遣っていらっしゃったし。あんなにかわいくて優しい人はいません」

 

雪村いづみさんが語ったような、素顔のひばり伝説はたくさんあるはず。どなたか、意外なひばり像をご存じなら教えていただきたい。

 

〔フォトタイム〕

 

赤城神社その7

神楽坂に鎮座して450年、装いもあらたの人気パワースポットです。

 

 

けさの日本経済新聞によれば、民主党は21日、代表代行室長ポストを新設して、古川元久前官房副長官を充てる方向で調整に入ったという。

 

民主党の代表代行といえば、官房長官だった、あの仙谷由人さんしかいない。そして、古川さんは、官房長官時代にコンビを組んでいただけでなく、仙石行政刷新相のときは副大臣をつとめていた人。いってみれば、仙谷さんの腹心である。

 

ほんのベタ記事だが、見出しを見ただけで、「仙谷さん、恐るべし」と思った。

 

だいたい、「代行」とか、「代理」とか、「代」がつく役職は、実権のないお飾りというのが、世間の相場。代表代行という肩書きでも重みがあったのは、小沢さんくらいであろう。

 

その小沢さんにしても、当時、代表代行室長をそばにはべらせていたという話は聞いたことがない。ライバルの岡田幹事長のほうから、「代行、どうですか、代行室長ポストを新設しては」というはずはないから、仙谷さんみずからが、平然として言い出したのだろう。

 

前代未聞の代表代行室長ポストの新設をすでに岡田執行部が認めているのかどうか、はっきりしないが、大きな部屋を仙谷さんに明け渡したり、どちらかといえば、岡田さんのほうが押され気味の感は否めない。

 

当欄では、以前、仙谷さんと岡田さんの激突を予言しておいたが、その舞台装置は着々と整ってきているようだ。

 

それにしても仙谷さんは、ブレーン集めが趣味のようで、官房長官のときは、菅さんより多い秘書官を抱えていた。そのうちに、代表代行室に、ふたたび華麗なるブレーン集団を集結させるつもりかもしれない。

 

陰の総理大臣、仙石さんの官邸づくりに注目していこう。

 

〔フォトタイム〕

 

赤城神社その6

同じ敷地内には、レストランのあるモダンなビルが建っていました。

 

 

 

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