2009年02月

早いもので、もう、きょうで2月も最終日。あすからは、3月である。言い古されたことばではあるが、まさに光陰矢のごとし。少年老い易く学成り難し…。

 

というふうに思うか、それとも。まだ、2月。平成21年は、まだまだいっぱい残っている。時間という、人類にとって最大の資産は、まだ十分にある、と感じるか。

 

自分のなかに、あきらかに意識の変化がある。「まだ」への転換だ。いま、気持ちのなかに、「あすからは、もう3月か」という感覚はない。

 

退職して1か月になる。振り返ってみると、予想以上に、忙しかった。とはいっても、超多忙なころのような、時間の速さをひしひしと感じることは、さすがにない。わずか28日間の2月にもかかわらず、ずいぶん長かったというのが、実感である。

 

さいわいなことに、飽きあきして退屈するほどの長さではなく、どちらかといえば、ゆったりした心地よい時間の流れであった。

 

たぶん、仕事をもつ人々の多くは、わたしもそうであったように、日々、「もう、こんな時間か」、「もう、金曜か」、「もう月末か」、「もう秋か」と、「もう」に追い立てられているにちがいない。そして、気がつけば、もう定年というのが、大かたのサラリーマンの姿であろう。

 

現役のころに、「もう」から「まだ」へ転換しておかばよかったと、悔やんでいる。「まだ間に合う」、「まだ学べる」、「まだ挑戦できる」、「まだ捨てたものではない」と、気分を“まだモード”にしておけば、すこしは賢くなっていたかもしれない。いや、まだ遅くはないか。

 

〔フォトタイム〕

 

港区立イタリア公園その6

まだ、あまり知られていないのか、こんな美しい彫刻があるに、園内はひっそりとしていました。

 

 

 

 

話題になったものは、なんでも関心をもつ性分なので、米アカデミー賞・外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)も、ぜひとも、みたいと思っている。

 

本木雅弘演じる主人公は、納棺師。その役目は、<亡くなった人の体を清め、化粧をし、旅立ちの衣裳を着せて棺に納める>ことだという(朝日新聞24日付夕刊)。

 

朝日の記事では、新米納棺師になった元刑事の女性(37歳)が紹介されていた。葬儀会社に勤めて8か月になるという女性は、「最初の3か月ぐらいはよく泣いていました」が、「(映画の)主人公と同じように半年やってみて、やっと続けていけるかもしれないと思い始めた。『おくりびと』は、なくてはならない仕事です」と語っていた。

 

おそらく、さまざまな場面をみてきたにちがいない。

 

映画「おくりびと」の原作は、青木新門著『納棺夫日記』(文春文庫)。まだ読んでいないが、けさの産経新聞に、「ゆうゆうLife」編集部の佐藤好美記者が、<枯れ木が倒れるような死>と題したコラムのなかで、この本の一部にふれていた。

 

<青木さんが納棺の仕事を始めた昭和40年代初期は、自宅で亡くなる人が半数以上。「枯れ枝のような死体によく出会った」>

 

<ところが、病院死が大半になり、「点滴の針跡が痛々しい黒ずんだ両腕のぶよぶよ死体」が増えた>

 

<「生木を裂いたような不自然なイメージがつきまとう。晩秋に枯葉が散るような、そんな感じを与えないのである」と記している>

 

このおくりびとの感想に、考えさせられた。だれしも、できれば、晩秋に枯葉が散るように逝きたいと思っている。

 

ただ、身内の心情も理解しなければならない。一日でも長く、延命を願う気持ちもまたわかる。

 

佐藤記者によれば、病人が口から食べられなくなると、点滴だけでなく、<今や、技術はさらに進み、胃や腸に直接、管を通して栄養を入れる>のが、当たり前なのだという。これは、医療現場の判断。ある程度の年齢になれば、そこまでして生きても、という気にもなるのだが……。

 

〔フォトタイム〕

 

港区立イタリア公園その5

並んでいる円柱は、トスカーナふうだそうです。

 

 

 

民主党の小沢一郎代表は24日、「米国の極東におけるプレゼンス(存在)は、第7艦隊で十分」などと発言し、与野党に波紋を広げたという(日本経済新聞26日付朝刊)。

 

小沢さんが、どういう文脈で、正確には、どう発言したかはわからないが、日本に駐留する米軍は海軍だけでよい、という認識なら、日米同盟への配慮を欠いた、無神経で非常識な発言といわざるを得ない。

 

小沢さんが、万年野党の党首なら、またアメリカへの突っ張りかと笑って済まされるが、ポスト麻生の最有力候補、すなわち、つぎの総理大臣の座にもっとも近いと目されている人だけに、見逃すわけにはいかない。

 

いまさらいうまでもないが、アメリカ軍は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4軍から成り、この4軍のコンビネーションで、巨大な軍事力が発揮され、そのことが抑止力ともなっている。海軍だけの戦闘は、ごく一部の局地戦などでありえないことではないが、軍というのは、情報収集などもふくめ、総合力が基本である。

 

小沢発言が、「米軍は海軍だけでけっこう」という偏ったニュアンスで伝わったら、アメリカの軍関係者の気持ちは、おだやかではあるまい。

 

現在、在日米軍のトップは、エドワード・A・ライス空軍中将がつとめている。第5空軍司令官でもあり、米空軍のVIPのひとりだ。昨年2月まで在日米軍司令官だったブルース・A・ライト中将もやはり空軍出身。これは、東アジアにおける米空軍の役割の大きさを示している配置ともいえよう。

 

日本の生命線であるシーレーンを守る第7艦隊ばかりが目立つが、ほかに北朝鮮という“火薬庫”を忘れるわけにはいかない。有事には、米空軍に頼ることになるのだ。軍事的な知識がすこしでもあれば、あのような発言を、軽々にはできないはずだ。

 

小沢さんは、「(在日)米軍がひくことによって、日本の防衛は、日本が責任を果たしていけばいい」と記者団に語ったという(朝日新聞26日付朝刊)。

 

安全には、コストがかかる。日本を自ら守るために、本気になって独自の軍事力を構築するというのなら、莫大な軍事費を覚悟しなければならない。小沢さんの場合、そこまで考えたうえでの発言なのだろうか。

 

政治に責任をもつなら、意気がって発言してはいけない。

 

〔フォトタイム〕

 

港区立イタリア公園その4

彫刻をみているだけでも、たのしい公園です。

 

 

 

きのうのつづきというわけではないが、ふたたび祇園の話である。といっても、残念ながら、いまだに祇園の料亭で飲む機会はないし、これからもないだろう。したがって、これから話すのは、目撃談ではないので、あしからず。

 

歌手の郷ひろみさんに『ダディ』という著書がある。平成10(1998)年5月に幻冬舎から刊行された。そのなかに祇園で遊んだときのエピソードが出てくる。

 

それまで郷さんは京都では、先斗町(ぽんとちょう)にあるお茶屋をひいきにしていたという。郷さんによれば、京都はプライベートで訪れる回数も多いので、先斗町のほかにべつのところも開拓しようと、アンテナを張っていたとか。さっそく、ある人から、祇園でもその大きさや歴史からして、ベストの部類に入るお茶屋を紹介してもらった。

 

郷さんは、友人らとはじめて祇園へ繰り出した。舞妓3人に、ひろみ姐さんという三味線の地方(じかた)さんを入れて、その料亭で3時間余り、大いに楽しんだ。

 

おひらきになって郷さんは、こんごのことも含めて若女将(わかおかみ)に仲間を紹介した。そして若女将に「郷ひろみ」と書かれた名刺を渡し、名刺の裏に書かれている自分の会社へ請求書を送ってほしいといった。

 

そのあとの情景を郷さんはこう書いている。

<と、そのとき、耳を疑うような若女将の言葉に盛り上がった場には一瞬にして、沈黙の稲妻が走った。本来、芸能人の方の口座を開くことはしておらず、もし気に入っていただいたようだったら、これからもその紹介者を通じて予約してほしい、と言われたのだ>

 

若女将のことばを俗っぽく解釈すれば、あなたは、テレビでは有名かもしれないけれど、たった一回、来ただけで、ツケにしてくれなどとは、この祇園では通用しませんよ、ということか。

 

まだ人気の衰えていなかった当時の郷さんを、ここまでつっけんどんにあしらったのは、祇園の一流料亭くらいか。さすが、と感心するところもあるが、こういう祇園の一流料亭のシキタリというものは、庶民感覚ではとてもわからない。

 

裏金でもつくって、一度くらい、表玄関から入ってみたいが、悲しいことに、その才覚もない。

 

〔フォトタイム〕

 

港区立イタリア公園その3

ご覧のような、ミロのビーナスもありました。

 

 

 

記憶されている方もいると思うが、昨年の「週刊新潮」1211日号に、<『沈む朝日新聞』がひた隠す『裏金作り』と『社内レイプ』事件>というショッキングな見出しの記事が掲載された。

 

この記事の前半部分は、昨年6月に社長室長という重要なポストに就任したばかりの幹部が、突如、11月1日付で社長秘書役に異動した背景には、京都支局長(現在は総局長)時代の裏金づくりが暴かれ、その責任を取らされたのではないか、という内容であった。

 

記事によれば、この幹部は、京都支局長の時代、支局員ら20人弱が参加して祇園でも指折りの料亭で忘年会をひらいていたそうだ。芸妓も数人あげていたとか。

 

それにしても祇園の一流料亭というのは、いったい、ひとり当たりどのくらいかかるものなのか。いくらなんでも、1万円や2万円で済むわけがない。

 

忘年会にかぎらず、記者の歓送迎会もこの料亭を使っていたと、「週刊新潮」には書いてあった。もし事実なら、自腹を切っている、麻生太郎首相のバー通いどころではない。

 

参加者全員から4,5万円くらいの会費をとったのか。あるいは、支局長が私財をなげうってスタッフを歓待したのか。それとも、やはり裏金で支払われたのか…。

 

もし、裏金だとすれば、これまでの朝日新聞の裏金批判キャンペーンは、なんとも滑稽で、サマにならなくなる、と、「週刊新潮」の記事を読んで思ったものだ。

 

なお、この記事に対して朝日新聞社は、週刊新潮編集部に、事実と異なる記述が多い、と抗議している。ただ、どの部分が異なっているのかは、明らかにしていないし、告訴もしていない

          

さて、けさの産経新聞によれば、朝日新聞社が東京国税局の税務調査をうけ、出張費や取材費の過大計上があったとして平成20年3月期までの7年間で、計約4億円の所得隠しを指摘されていたことが、23日、わかったという。一部の記者が、カラ出張などで経費を水増し請求していたとも。

 

この記事のなかに、<不正発覚をうけ、同社は京都総局の当時の総局長らを停職処分にし>というくだりがあって、あ、と思った。はたして、「週刊新潮」の記事と関係があるのだろうか。

 

〔フォトタイム〕

 

港区立イタリア公園その2

イタリア公園は、「日本におけるイタリア20012002年」を記念してイタリアから寄贈されました。

  

 

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