2月1日からフリーになる。とはいえ、きょう(1月31日)とあす(2月1日)の自分の生活に、なにか、とくべつのちがいがあるわけでもない。きょうは土曜で、あすは日曜。これではメリハリがつくはずもなく、退社という人生の区切りを実感するのは、2日の月曜あたりかもしれない。
組織を離れた悲哀、というのは、少々おおげさにしても、その不便さを感じるときが、いずれくると思われる。たとえば会社のIDカードなども、ふだんは気にも留めなかったのが、なんとなく懐かしくなってくる。
昨今は、あちこちで身分証の提示を求められるようになった。銀行で大金を引き出したり、振り込んだりするときも、保険証とかパスポートを求められる。昔は、そんなことは、あまりなかったように思う。底流にあるのは、不信の時代ということか。
いま、手元には保険証もない。これまでの保険証は、会社に返却し、新しいのが手元にとどくのは先の話。免許証も更新をさぼって、ない。こうなったら、外国人のようにパスポートをもって外出することにするか。
名刺は、どうしたらよいだろう。名刺なしの人生もわるくはないけれど、名刺の効用は認めざるを得ない。名刺交換したばかりの相手の名前を、どうしても思いだせないときがある。そういうときのためにも、名刺はあったほうがよい。さりとて、急いでつくることもあるまい。
スローライフでよいのだ。さいわいモーレツ型の人間でなかったのが、よかった。モーレツ型人間の場合、現役を退いたあとの頑張りすぎという性分は、下手をすると、家族や世間との間になにかと摩擦を生じかねないのだ。
偏見を承知でいえば、退職後は、非モーレツ型人間の出番である。落ち着いた人間のほうが、やすらぎに満ちている。人間、なにが得するか、わからないものだ。さて、あとは、腰をおちつけて熱中できるものをみつければよい。ゆっくり、ゆっくりで十分なのだ。
(2月1日から「専門家ブログ」へ移ります。これからも、よろしくお願いします)
〔フォトタイム〕
皇居大手門その7
お堀端の柳も、なかなか風情があります。