2008年10月

きのう、麻生内閣は5兆円の経済対策を発表した。このうち、2兆円は給付金に使われ、各家庭に支給される。麻生太郎首相は、子孫に負担を強いる赤字国債には依存しない方針。主な財源は、いわゆる埋蔵金である。

 

日銀の地下に金貨が積まれているから、埋蔵金というのならわかりやすいが、そうではない。一体、姿、形のみえない埋蔵金は、どこにあるのか。

 

その目安となるものが、「文藝春秋」9月号にあった。<新「霞が関埋蔵金」50兆円リスト>という記事で、筆者は、高橋洋一氏(東洋大学教授・元内閣参事官)。財務省OBである。ここに<霞が関埋蔵金50兆円リスト>というのがでているので、参考までに、書き写してみよう(清和政策研究会提言をもとに「文藝春秋」編集部で作成したという。特会は特別会計の略)。

 

このリストにかんしては、財務省などからは、「異議あり」という声があると思われる。また、これが作成されたあと、金融パニックがあって、事態は急変している。そのへんを頭に入れてごらんいただきたい。

 

<霞が関埋蔵金50兆円リスト>

1、今年度つかえる埋蔵金      (最大6・8 兆円)

日銀保有国債の償還分            3・4兆円

財政融資資金保有国債の償還分      3・4兆円

 

2、平成21年度につかえる埋蔵金  (10兆円以上)

①特別会計の繰越金

・労働保険特会                 0・8兆円

・財政融資特会                   2兆円

・外為資金特会                 2・5兆円

②特別会計の運営方針変更

・財政融資特別会計の準備金削減       4兆円

・労働保険特別会計への一般会計

からの繰り入れ停止               0・2兆円

③「真に必要な道路」への集中       (兆円規模)

 

3、今後3年間につかえる埋蔵金     (9・2兆円超)

①民営化による株式売却

・郵政会社                  額面で5兆円

・日本政策投資銀行           額面で1・3兆円

・商工中金                 額面で0・4兆円

②東京23区外や独立行政法人

の保養施設などの売却              1兆円超

 

4、さらなる埋蔵金              (最大31兆円)

①国・地方の公務員人件費削減        4・4兆円

②民営化による株式売却

・日本貿易保険、都市再生機構、

雇用・能力開発機構など         額面で1・5兆円

・東日本高速道路会社、中日本高速

道路会社、西日本高速道路会社など 額面で0・5兆円

・JTの完全民営化                   2兆円

・東大・京大など旧帝大、一橋大、東工大

の民営化                  額面で2・3兆円

・石油特会保有の22の民間会社   額面で0・4兆円

・成田国際空港(株)                0・2兆円

・関西国際空港(株)                0・1兆円

・東京地下鉄(株)                 0・1兆円

2011年地上デジタル放送移行に伴い、

開放される周波数をオークション売却     2~4兆円

④「空港整備特別会計」剰余金処分        1兆円

⑤独立行政法人(上記除く)への

「出資金」の売却             最大14・5兆円

 

いずれにしても、埋蔵金は、いってみれば一時金。継続的な財源になるものではない。麻生首相は、3年後に消費税を引き上げたいと明言した。どう考えても安定した財源を確保するためには、消費税アップは、やむを得ない状況にある。行政改革との両面作戦について、真剣に議論をする段階にきたようだ。

 

ところで、よけいな心配がある。自民党が、なけなしの埋蔵金を使ってしまうと、それをアテにしている民主党の公約は、どうなってしまうのであろうか。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅南口その5

駅付近のどこかに、かならず亀がいるはずと思っていましたが、やっぱりいました。

 

 

昨夜も帰りの電車で居眠りしている人がいた。こっくりこっくり、ではなく、ぐっすりの本格派。隣の人の肩に凭(もた)れかかった寝顔は、疲れ切った表情というより、すやすやと、いかにもしあわせそのものという感じ。

 

電車で居眠りする女性といえば、若い人が多い。けれど、きのうは、中年の女性だった。隣の人は、本を読む若い女性。ほんとは迷惑にちがいないが、本を読んだまま、じっとしていた。やさしい人なのだろう。

 

男性は、こうはいかない。はい、いいですよ。どうぞ、ゆっくりお休み下さい、と思っても、女性に寄りかけられたら、どうしても周囲の目を意識してしまう。そこで、さりげなく席をたつか、ちょっと相手を押し返して目を覚ましてもらうとか、なにかアクションが必要だ(むろん、ほんとにやさしい男性は、そのままであろうが)。

 

居眠り人間は、電車のなかだけではない。公園のベンチなどでも、よくみかけるし、高い入場料を払ってきたのに劇場や音楽会、映画館で眠っている人もいる。マナーの点では、ほめられたことではないが、これも性分というものだろう。とにかく、眠気をさますのは、容易ではないのだ。

 

このように日本は、世界に例をみない居眠り天国である。しかし、けっして卑下することもないようだ。

 

東京大学大学院社会基礎学科のマイク・ハンドフォード准教授は、イギリスのノッティンガム生まれの言語学博士。「ニューズウイーク日本版」1029日号にこう書いていた。

<日本人は電車はもちろん、道端や駅前でもよく眠る。東京がいまもきわめて安全なことを示す証拠だ。ロンドンで同じことをすれば、かなりの確率で強盗にあう>

 

駅前や道端で眠る人がいること自体は、とてもかんばしい状態とはいえないけれど、たしかに電車や公園のベンチで居眠りができるというのは、安全な日本の誇りといってよいのかもしれない。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅南口その4

商店街でごらんのようなウサギをみつけました。亀有といえば、亀。亀といえば、ウサギということでしょうか。

 

 

 

各メディアで報じられているように、28日の参院外交防衛委員会で、麻生太郎首相は、民主党の牧山弘恵議員から、カップめん1個の値段を聞かれ、「400円くらい?」と答えて失笑をかったという。

 

ホテルのバーで憩う麻生太郎首相の庶民感覚のなさを引き出そうという魂胆の、いってみればヒッカケ質問。同じようなことを聞かれたら、170円くらいと、わたしも正確に答えられなかった。「カップめんの値段も知らないで、どうする」といわれるかもしれないが、おそらく知らない国民のほうが多いのではないか。

 

わたしが、そのとき、麻生さんの立場なら、逆襲してみたかもしれない。先日、麻生さんは、スーパーで買い物をした。その商品の値段を牧山議員に聞いてみるのだ。要するに、自分の知っていることを質問すれば、優位に立てる、というワケだ。

 

カップめんの現在の値段は、知らないけれど、食べるのは嫌いではない。KLMオランダ航空は、おやつにカップめんをだしてくれたが、じつにおいしかった。

 

スーパーへ行けば、カップめんは、所せましと並べられている。庶民にとって身近なインスタント食品の価格を知っておくのは、知らないよりは、いい。こんど、スーパーへ入ったときは、あちこち回ってみたい。

 

繰り返しになるけれど、問答というのは、質問するほうが、圧倒的に有利である。そのことを、長いジャーナリスト生活でしばしば経験してきた。

 

昔、いろいろ聞かれ、正直に「わかりません」と答えたら、露骨に軽蔑されたこともある。相手の表情は、「あんた、ジャーナリストなんだろ。こんなことも知らないの?」といった風であった。

 

半面、取材する側としては、質問をつづけているかぎりは、自分の無能さがばれることもなく、とても楽だった。だから、若いころ、ある取材対象の年配の人から、取材テーマについて、逆に質問攻めにあって、勉強ぶりをテストされたときは、あわて、うろたえ、早々に退散したこともあった。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅南口その3

南口には、ごらんのようなハッピ姿の「両津勘吉像」があります。わざわざ遠くから見に来る漫画ファンもいるとか。両津勘吉とは、亀有出身の漫画家、秋本治さんの人気シリーズ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(「週刊少年ジャンプ」連載)の主人公です。

 

 

 

 

 

歴史的、といってもよい株価の急落。でも、冬のあとは、かならず春がくる。ここは、じっと辛抱しよう。むろん、政府は対応に万全を期さなければならない。

 

日本も苦しいが、各国それぞれに苦闘を強いられている。けさの産経新聞によれば、きのう、アジアの各株式市場も東京市場と同様に、ほぼ全面安になったという。

 

お隣の韓国もたいへんだ。韓国の有力紙「中央日報」の日本語版(27日)に、日本をうらやむ記事があった。隣の芝生はよくみえる、というけれど、日本のどこに感心しているのか。ともあれ、記事を紹介しよう。

 

<この日、日本政府は、銀行に10兆円規模の公的資金投入計画を発表した。韓国が部処(部署)間で食い違い、右顧左眄(うこさべん)しているうちに、日本は乱れることなく一歩先に立って強い対策を打ち出している。麻生太郎首相は、「乾坤一擲(けんこんいってき)の状況」だとし、「果敢な対策が必要だ」と強調した。火を消す姿勢がこんなにも違う>

 

日本では、野党から、あるいはメディアから、批判をあびる麻生首相だが、韓国メディアからは、火消し役としての手腕を評価されていた。

 

いずれにしても、火を消す姿勢がこんなにも違う、というからには、韓国政府は後手、後手にまわっているのだろう。記事は、こうつづく。

 

<他の国より先制的に対策を出しても物足りないほどなのに、私たちは、追いかけるのに忙しいのだ。19日、銀行の外債支給保証案を出すまでの過程をおさらいしてみれば、政府の対処能力を容易に知ることができる>

 

そして、ウラミは、金融知識があまりない政府の経済担当者へ。記事によれば、いますぐ、経済チームの刷新が必要だというのだ。

 

<金融は敏感で、高度の技術が必要な分野だ。いま、青瓦台には金融を専攻した秘書官さえいない実情だ。これ以上、遅れてしまう前に、あちこちに散らばっている経験豊かで、能力のある“金融技術者”を呼び集めなければならない>

 

日韓ともに、トップは経済界出身。麻生首相も李明博大統領も、実務経験は十分持ち合わせている。いまこそ、日韓トップは、難局打開の腕比べのときである。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅南口その2

東京都葛飾区亀有3丁目。これが明治30年5月17日に開業した亀有駅の所在地です。東京からいえば、北千住→綾瀬→亀有→金町→松戸と乗降客の多い駅がつづきます。

 

 

 

円高、株安。不安は大きいが、見方をかえれば、日本の円がつよくなったこと。日本の時代がきた、ともいえるのだから、もっとプラス思考であかるくいきたい。

 

そういう意味でも、きのうのNHKスペシャル<日本とアメリカ 第一回“アメリカ”買収~グローバル化への苦闘>は、興味深い内容であった。

 

2006年、東芝は、原子力発電所の設計で世界的に知られるアメリカのウェストチングハウスを買収した。その経緯が克明にリポートされたが、反発を避けるための東芝の細やかな配慮には感心した。

 

かつてジャパンマネーが世界を徘徊し、アメリカで不動産などを買いあさっていたとき、日本へのウラミツラミや反感も多かった。そういう体験は、決してむだではなかった、と番組をみながら思った。

 

東芝が買収したウェストチングハウスは、アメリカにとって特別な存在であった。世界最初の米原子力潜水艦ノーチラス号の心臓部に搭載された原子炉は、ウェストチングハウスの設計でもあったからだ。

 

軍事機密が漏れるという政界の懸念を払拭するために、東芝はハワード・ベーカー前駐日大使にロビイングを依頼する一方、東芝のイメージを高めるための努力を惜しまなかった。そのひとつが、子どもたちの発明コンテストであった。

 

東芝は、全米を対象に発明コンテストを実施し、入賞した子どもたちをワシントンに招待。議会を見学し、上院議員に会わせていた。忙しい議員も、地元の子どもたちの来訪には、時間を割いて会っていた。東芝は、将来を担うアメリカの子どもたちに名前を覚えてもらうだけでなく、上院議員への食い込みも図るという一石二鳥の効果をあげていた。

 

とはいえ、買収後の運営は、そうかんたんではない。ウェストチングハウスの技術者との意見の相違など、放映された数倍、数十倍の苦悩が東芝にはあったと思う。それでも、この番組は、ほかの企業にもずいぶん参考や、教訓になったはずだ。

 

東芝のほかに、経営が悪化したアメリカ企業の買収や吸収が相次いでいる。番組によれば、ことしは、すでに総額で3兆5000万円に達しているという。番組で買収した日本企業と、買収されたアメリカ企業の名前が流された。

 

その多くは新聞で報道されたが、まとめて列挙されると、こんなにあったのかと驚く。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ→モルガン・スタンレー(証券)

野村ホールディングス→リーマン・ブラザーズ(アジア部門、欧州・中東部門、証券)

武田薬品→ミレニアム・ファーマシューティカルズ(製薬)

新生銀行→GEコンシューマー・ファイナンス(金融)

東京海上日動火災保険→フィラデルフィア・コンソリデイティッド(保険)

リコー→アイコンオフィスリュージョンズ(情報機器販売)

塩野義製薬→サイエル(製薬)

みずほコーポレート銀行→メルリリンチ(金融)

武田薬品工業→アムジェン(製薬)

NEC→ネットクラッカー(IT)

ソニー→グレースノート(IT)

みずほコーポレート銀行→エバコア(銀行)

三井化学→シルビュー・テクノロジーズ・グループ(化学)

丸一鋼管→リービット・チューブ・カンパニー(鉄鋼)

藤倉化成→レッドスポットペイントアンドパニッシュ(化学)

京セラミター→ビアレス・システムズ(精密)

 

なぜ、こういう現象が起きているのか。番組で東京大学大学院の柳川範之准教授が、こう解説していた。

 

「アメリカ企業のもっている優秀な人材、ノウハウ、あるいは知財(知的財産権)を自分のなかに取り入れて、積極的にグローバル化していこうと。いまの日本のM&A(合併・買収)というのは、かなり戦略的に考えて、そのなかで欠けている部分を短期間に補うには、どうしたらよいかと。こういう戦略に基づいて、かなり練り上げられた計算のうえに、海外の企業を買収している」

 

その先駆けとなった東芝の成功を祈りたい。

 

〔フォトタイム〕

 

JR亀有駅南口その1

某日。JR常磐線柏駅から地下鉄千代田線乗り入れの電車で大手町駅に向かっているとき、思い立って亀有駅に途中下車しました。はじめて降りる駅です。この写真は改札口へ行く前、ホームから南口の方角を撮りました。何の変哲もない風景ですが、未知のところというのは、たとえ駅前であれ、興味をそそるものです。

 

 

 

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