2008年07月

今晩、隅田川の花火大会があるという。テレビでも放映するが、花火はやはり現地でみるものだろう。ただ、それには、かなりの準備と労力が必要だ。

 

隅田川の花火は浅草の吾妻橋の上から眺めたら、最高とは思うが、現実はけっこうきびしい。第一、吾妻橋に近づけるかどうか、わからない。

いまの事情はよく知らないが、幸運にたどり着いたとしても、橋の上で心ゆくまで花火をみるなんて、できるわけもない。立ち止まることもご法度のはず。

 

昔、上野の山で、パンダやモナ・リザ、ミロのビーナスをみたときのように、歩きながら、花火見物ということになる。

 

その一方で、隅田川に浮かんだ屋形船で一杯いただきながら、花火を堪能している方々がいらっしゃる。一体、この人たちは、何か月前から、どのくらいの予算で予約しているのだろうか。

 

負け惜しみではないが、仕掛け花火もいいけれど、子どもの頃にたのしんだ線香花火も懐かしい。パチパチと火花が散って、赤い玉が落ちそうで、落ちない。そこに、ホタルが飛んできたりして、田舎の夏は風情があった。

 

〔フォトタイム〕

 

築地川銀座公園その6

「健康こみち」というのがありました。小石が敷き詰められた小道は、足裏健康マッサージの場、というわけです。

北京五輪が近づいてきたけれど、中国人のマナー教育は、すこしは成果が出ているのだろうか。よけいなお世話かもしれないが、昨晩、そんなことを思い出させる本を手にした。

 

鈴木譲仁著『世界の中国人ジョーク集』(中公新書ラクレ)の冒頭に、こんな小噺がでていた。

 

●世界の教育事情

何年勉強しても、絶対に身につかないものは?

「日本人の英語教育」

「アメリカ人の反戦教育」

「ロシア人の道徳教育」

「イタリア人の性教育」

そして、

「中国人のマナー教育」

 

なるほど、なるほど。わたしにかんするかぎり、日本人の項は、残念ながら、ドンピシャである。しかし、いまの日本の若者は、けっこう英語を話す。それより中国人のマナー教育は、どうなっているのか、と思った次第。

 

信号無視、ののしり合い、割り込み、ゴミのポイ捨て、たん吐きなどの改善はすすんでいるのか。それとも、ジョークのとおりなのか。

 

〔フォトタイム〕

 

築地川銀座公園その4

名犬チロリ記念碑には、こう書かれていました。「捨て犬チロリは、子犬たちと共に殺生処分寸前に助けられ、後にセラピードッグ(動物介在療法)の代表犬として全国で活躍し、多くの高齢者や障害者に大きく貢献しました」と。

きのうの夜、八王子市の駅ビル9階にある書店で、若い女性が刺されて死亡した。犯人の男は、「仕事がうまくいかず、むしゃくしゃしてやった。だれでもいいから刺したかった」と供述しているという(産経新聞7月23日付)。

 

中国のバス爆破も怖いニュースだが、日本で続発する「だれでもいい」殺人事件も恐ろしい。きのう、37・4度になったところもあった。猛暑で、むしゃくしゃして、また事件が発生しては、たまったものではない。

 

どうしたら、「だれでもいい」症候群を予防できるか。テレビで、コメンティターのコメントをきいていても、どこかピンと来ない。社会がわるい、なんてかんたんにいう人がいるけれど、そんなコメントはもう聞き飽きた、という気にもなる。かといって、わたしに、いいコメントがあるわけでもないが。

 

それにしても、こまったものだ。いつ、なんどき、被害にあうか、まったくわからない。そんな世の中になってしまった。そのうえ、例年のように食中毒や水難も絶えない。だからといって、日本人の多くが、外出を控えて、仙人のような生活をおくっては、国の活力が衰える。

 

猛暑にはビールをのみ、土用の丑の日には、うなぎをたべ、花火の夕べには浴衣を着る。海や山へも行く。もちろん、うなぎではなく、そばでもいいし、むりに浴衣を買うこともないが、いつもの夏と同じような行動パターンが繰り返されることによって、経済も活性化していくのだ。

 

涼しい夏を期待する声は、多い。けれど、わたしは、夏は暑く、冬は寒いほうが、いいのではないかと思っている。古来、そういう気候にあわせて、商売は続けられてきたのだから。

 

〔フォトタイム〕

 

築地川銀座公園その3

「名犬チロリ記念碑」です。チロリは、名誉セラピードッグ認定1号犬です。詳しくは、あす、もう一度。

 

20年近く前、はじめてインドへ行った。この国を訪れた人は、好きになるか、嫌いになるか、どっちかだというが、それはなにもインドにかぎったことではあるまい。インドにかんしていえば、すくなくとも、嫌いになるようなことはなかった。

 

振り返ってみれば、当時は、巨象がまさに目を覚ましたころであった。そのごのインドの躍進は、新聞やテレビで報じられている通りである。

 

昨晩、NHKスペシャル「インドの衝撃」の2回目は、日本に進出したインドの製薬会社をとりあげていた。大学院出の有能な人材をあつめ、特許の期限がきれた製薬をもとに、よりコストのやすい薬をつくって販売し、莫大な利益をあげていた。いってみれば、他社のつくった人気商品の模造品ビジネスだ。

 

とはいっても、特許切れなので違法ではないし、抜け目のない商売と揶揄するつもりもまったくなく、むしろコスト減へのあくなき探求心に感心した。たしか、戦後日本の復興を担った企業戦士が、もちあわせていたのも、なりふり構わない、あのバイタリティーであったように思う。

 

では、現在の日本企業を支える人たちは、探求心がなくなったかといえば、そうとは思っていない。やり方は少々スマートになったが、根性に変わりはない。

 

けさの日本経済新聞に載ったアステラス製薬の広告で、同社化学研究所の研究員、内藤良さんが、こう述べていた。

 

<新薬の開発。それは、私の一生の仕事。数千種類の化合物から薬の候補になる物質を選び出し、一つひとつ丁寧に、合成を繰り返していく>

 

<成功確率1万9817分の1.研究人生の大半は、失敗しか味わえない。でも、絶対に誰かの役に立つはず。だから、挫けずにがんばれるんです>

 

内藤さんによれば、何度もトイレへ行きたくなる過活動膀胱という病気の治療薬は、世に出るまで10年以上かかったという。こういう気の遠くなるような研究を、あすの成功を信じて民間企業で地道におこなっているのだ。

 

〔フォトタイム〕

 

築地川銀座公園その2

築地川銀座公園は、晴海通りをはさんで両側にありますが、今回紹介するのは、松竹本社ビルのある左側のほうです。公園内に女性像がみえます。佛子泰夫作「月を呼ぶ」です。

梅雨が明けたばかりというのに、福田康夫首相は悠然と夏休みをとっている。参議院という国権の最高機関の片方から、ノーの烙印をおされても、なんら痛痒を感じることもなく、サミットでは、世界のトップグループのど真ん中に立った。まれにみる強運の持ち主といってよかろう。

 

父親の赳夫元首相には、何度もお会いしたが、当時の政治家のなかでは、比較的権力者らしくない雰囲気をただよわせていた。子息の現首相は、実際はどうか知らないが、外面的には父親より、さらに恬淡として飾らない性格のようにみえる。

 

聞くところによると、福田首相は、昔、色紙に、老子の一節、「光而不耀(光があっても輝かない)」と書いたことがあったとか。能ある鷹は爪を隠す、ということわざのように英知の光を極力隠して目立たないという意味であろう。

 

相変わらず、福田内閣の支持率は低迷している。連立与党の公明党からも、雑音が聞こえてくるなど、政権の前途は不透明のように思える。しかしながら、実際には、ここ20年ばかりの歴代首相のなかでは、小泉純一郎元首相についで安定した政権であるのもたしか。まことにもって、不思議な権力者である。

 

そのうえ内閣改造を断行するという。民主党もふくめて、だれひとり、これに反対もしない。自分の考えだけで、日本の大臣の首をすげ替えることができるのだから、これは凄い。隠していた爪を、ちらっとみせるといったところ。ひょっとしたら、この勢いで、衆議院まで解散してしまうかもしれない。げに、恐ろしきは、権力者である。

 

築地川銀座公園その1

晴海通りを銀座4丁目交差点から築地方面へ歩きます。歌舞伎座の前を通って行くと、松竹本社ビルの手前に、築地川銀座公園があります。

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