北朝鮮による拉致被害者家族会が結成されたのは、平成9(1997)年3月だった。あれから10年、ずっと代表をつとめてきた横田滋さん(75)が11月24日に退任し、後任に副代表の飯塚繁雄さん(69)が就任した。横田さんは、とつとつとした口調で、拉致の非道を訴え、救出運動を引っ張ってきた。心から、お疲れ様でした、と、労をねぎらいたい。
妻の早紀江さん(71)と回った講演は、もう1000回を超えたという。横田さん夫妻の真剣な行動がなければ、ここまで世論は沸騰しなかったし、政府もこれほどまでに積極的にはならなかった。むろん、5人とその家族の帰国もなかった。めぐみさんの救出がいまだに実現していないのは、両親として断腸の思いであろうが、横田さん夫妻のなしとげたさまざまな貢献は、国民栄誉賞にあたいする。
その理由は、横田さん夫妻は、国民の命を救ったからである。国家が、莫大な資金を投じて軍隊を組織し、多数の在外公館をおき、インテリジェンスなどに人とカネを惜しまないのは、つきつめていえば、国民と国益を守るためである。それを一個人、一民間グループが、日本のみならず、世界まで動かそうというところまで、運動を拡大できたのは、奇跡に近いのではないか。あと一歩、横田さん夫妻に、朗報が届く日の早いことを念じている。
<きょう・あす・あさっての見頃の草花>
11月25日、アキニレ紅葉(秋留台)。
11月26日、メタセコイヤ紅葉(水元)、ツバキ見頃(蘆花)。
11月27日、紅葉見頃(赤塚、善福寺、石神井)。
〔フォトタイム〕
ベルビー赤坂その7
ショップやレストランなど、赤坂OLがたのしめるスポットのようです。