2007年08月

きのうの産経新聞に、8月13日夕、東京都豊島区のホテルで覚せい剤を所持してつかまった「トンボ鉛筆」前会長、小川洋平容疑者(60)のことが出ていた。記事によれば、この人は、創業者の孫で、慶応大学商学部を出て「トンボ鉛筆」に入社。その後、ボストン大学経営大学院に留学し、米現地法人を設立し、42歳で5代目社長に就任した。この老舗の文具メーカーは、ずっと大幅赤字に悩んでいたが、小川社長は、“同族企業のお坊ちゃん”とは思えぬ、経営手腕を発揮し、会社を黒字にしたやり手であったという。

 

老舗のボンボンに生まれ、一流大学を出て、留学までしても、堕落する人間は堕落する。それが浮世というものだが、この人の転落の理由は、いかにもボンボンらしくて、かえって痛切な悲哀を感じさせる。小川容疑者は、社長を13年つとめて平成15年に、イトコにバトンタッチして代表権のない会長に就任した。記事によれば、<覚せい剤に手を出したのは、このころ。「とたんに自分をちやほやしていた取り巻き全員が新社長になびき、孤独を感じた」。そう供述すると、背中を丸めた>とか。

 

取り巻きにすれば、相手が、実権のある経営トップだから、取り巻いていたのであって、権力をうしなった人間にはよほど、人間的な魅力でもないかぎり、もう近づかないのは、当たり前の話である。それをこの人は、自分の魅力で他人に取り巻かれていると錯覚したのではあるまいか。辞めたら、潮をひくように、だれも居なくなったのだから、その寂しさは言いようがなかったはず。小川容疑者は、風俗の女性と付き合うことで、孤独をいやし、やがて彼女から覚せい剤をすすめられたのであった。

 

話は急展開するが、与謝野馨官房長官をかこむ財界人のあつまりに、「四季の会」というのがあるそうだ。この会は、7年前、落選中の与謝野さんを励ますためにJR東海の葛西敬之現会長の音頭で発足したという(日経8月29日朝刊)。当時、与謝野さんが、「有望な若手」としてつれてきたのが、安倍晋三官房副長官だったとか。人脈というのは、こうしてつくられていくようだ。

 

それはともかく、「四季の会」と、「トンボ鉛筆」前会長の件が、どういうつながりをもつかといえば、人間の「徳」というものを連想したからだ。与謝野さんは落選して、ただの人になっても、寄ってくる人がいたのは、政治家だから、とは一概にはいえない。やはり与謝野さんの人間的な魅力が、財界人をひきつけたのであろう。

 

<きょう・あす・あさっての見頃の草花>

 

8月31日、ススキの根元にナンバンギセル(小山田緑地・桜ヶ丘)。

9月1日、ハギ(大島小松川)。

9月2日、スイフヨウ(殿ヶ谷戸)、ヒガンバナ開花(清澄・小平)。

 

〔フォトタイム〕

 

ゆりかもめ汐留駅周辺その4

むこうにみえるのは、日本テレビタワー。4チャンネルの本拠地ですね。この一帯では、いちばん人の出入りの多いところです。

受験勉強をしていた昔、不得意科目を克服せよ、と参考書に書いてあった。後年、これは人生でも同じではないか、と気づいた。あらためていうまでもないが、弱点を長所に転じたときの効果は絶大だ。敵を味方にするのも同じ。安倍晋三首相は、いってみれば、アブのようにブンブンと自分にまとわりついて悪態をついていた舛添要一参議院議員を厚生労働大臣という絶妙のポストに配置して、あっという間に自分の守護神にしてしまった。これほどの「舛添効果」が生じるとは、安倍さん自身も予想していなかったと思う。

 

これは、だれでも応用できる人生の処世術だ。迷わず、いまから「舛添効果」を生み出すために、動き出そうではないか。さしあたっては、どうも肌のあわない近所の、あの人と仲良くしよう。これまでは、顔をあわせるのもいやだったのが、障害物の除去で、気分もすっきりするはずだ。つぎは、サークル仲間の人間関係の修復だ。うっとうしい関係が、うっとうしくなくなったとき、サークルでの日々はバラ色となる。

 

「舛添効果」とは、マイナスをプラスに転じることだから、なにも人間関係とはかぎらない。まわりには、いくらでも対象は転がっている。浪費家は、節約家に。太った人は、スリムに。喫煙家は、ノースモーカーに。おしゃべり人間は、ほどほどの無口に。怒りっぽい人は、やさしい人に。魔人は、非魔人に。まあ、例は数かぎりなくあるが、黒が白に変わったら、状況は一変するのは、まちがいない(えっ、そんなこと、かんたんにできるはずがない? う~ん、それじゃ、いい人生は転がり込んできませんよ)。

 

<きょう・あす・あさっての見頃の草花>

 

8月30日、ヒョウタン大きくなる(百花園)。

8月31日、ススキの根元にナンバンギセル(小山田緑地・桜ヶ丘)。

9月1日、ハギ(大島小松川)。

 

〔フォトタイム〕

 

ゆりかもめ汐留駅周辺その3

ラッシュアワーの時間帯がすぎれば、いたって閑散としています。



 

きのう、上野の東京都美術館でひらかれている、「トプカプ宮殿の至宝展」をみてきた。トルコのイスタンブールにあるトプカプ宮殿は、栄華を誇ったオスマン帝国のスルタンの居城。400年近く世界に君臨した大帝国だけに、展示された財宝のきらびやかさは、天下一品だった。スルタンについても、はじめて知ることが多かった。王様はたいへんだなあ、といたく同情する面もあったので、パンフレットの記述を拝借しながらお伝えしたい。

 

オスマン帝国の君主は、オスマン家の代々の男系が継ぐのが、原則であった。しかし、兄弟のうち、だれが継ぐかは決まっていなかった。そのため父王が死ぬと、兄弟の間ですさまじい後継争いが生じた。皇位継承の争いに勝ち残った者は玉座につくと、残りの兄弟を処刑した。そのためオスマン帝国には、君主がただひとりいるだけで、王族というものが存在しなかった。こういう残酷というか、荒っぽい相続システムで、10代までのスルタンが誕生した。サバイバルの勝者だけあって、ほとんどが有能な君主で、オスマン帝国を繁栄に導いたのであった。

 

ハーレムをつくったのも、王族がいないことが関係していたにちがいない。君主しかいないということは、後継の不安がつねにつきまとう。たくさんの女性をかこっていたのも、そのためで、ハーレムで女性とたわむれるのは、スルタンにとっては、遊びではなく、公務のようなものであった。実際、17世紀にはいると、ハーレムがあるにもかかわらず、男の子が少なくなって、兄弟殺しという野蛮な行為も廃された。

 

今回の展覧会では、スルタンがつくった工芸品が出品されている。歴代のスルタンは、失脚したときにそなえて、なにか手仕事を身につけていた。豪勢な生活をしていても、案外、失業したときの夢にさいなまれていたのかもしれない。スルタンは、はたで思うほどの恵まれたポストではなかったようだ。

 

<きょう・あす・あさっての見頃の草花>

 

8月29日、大安。

8月30日、ヒョウタン大きくなる(百花園)。

8月31日、ススキの根元にナンバンギセル(小山田緑地・桜ヶ丘)。

 

〔フォトタイム〕

 

ゆりかもめ汐留駅周辺その2

昔、ゆりかもめ汐留駅周辺は、国鉄の貨物駅(汐留駅)でした。



こうすれば、ああいい、ああすれば、こういい、安倍さんの人事への物言いは、賑やかであった。それにしても、サラリーマン社会からみれば、政界の人事異動というのは、じつにあっけらかんとしていて、うらやましくなる。サラリーマン社会では、陰でこそこそいうことはあっても、自分から、役職にはつかない、なんてことは、まずいわない。

 

けさの日本経済新聞によれば、人事からもれた参議院の矢野哲朗さんが、「一体、どういうわけなのかと、説明をうけないと、ちょっと問題が残る」と非難し、安倍首相と与謝野馨官房長官に直接電話で抗議したという。こういう事例に近いことは、サラリーマン社会でもまったくないわけではないが、ふつうはあまりみられない。もっとも、はずれた矢野さんの気持ちがわからないでもない。組閣当日の朝刊に、「矢野氏、入閣固まる」(朝日新聞)などと、でかい見出しをつけられては、ひっこみがつかないであろう。

 

テレビで、人事問題にかんして言いたい放題の政治家は、いま虚脱感におちいっているのではあるまいか。人事というのは、じつにコメントしやすい話題だが、それは人事がはっきりわかるまでの話。決まってしまえば、フットライトは、選ばれたほうへと移る。とはいえ、選ばれたほうも、うれしいのは3時間だけで、これからは、たいへんな重責が待っているのだ。

 

<きょう・あす・あさっての見頃の草花>

 

8月29日、大安。

8月30日、ヒョウタン大きくなる(百花園)。

 

〔フォトタイム〕

 

ゆりかもめ汐留駅周辺その1

JR新橋駅前のゆりかもめ新橋駅から2つ目が、汐留駅。JR新橋駅から、歩いても5.6分の距離にあります。



 

こんどの改造人事の最大の注目点は、やはり与謝野馨さんの官房長官である。健康を害して、一時はもう政界活動はムリではないか、という声もきかれた。そういう風評を吹き飛ばしての、あざやかなカムバックだ。選挙で苦杯をなめたことがあった。あれがなかったら、首相の座も視野に入っていたかもしれない。苦境をかいくぐってのヒノキ舞台。ご本人は感無量にちがいない。麻生太郎幹事長とも近く、安倍首相と、与謝野さんの3人が中心となって日本の針路を決めていくことになる。

 

総務相は、民間人の増田寛也さん。総務相という重要ポストを元岩手県知事に託したわけだ。たんに著名人を抜擢したサプライズではなく、これは面白い人選である。しかも格差是正、道州制も担当する。いうに大臣2人分の大きな仕事を抱え込む。それにしても岩手といえば、小沢一郎さんの牙城だ。これは、なにか、意味をもつのだろうか。(午後6時)

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