けさの産経新聞の万引きの記事を読んで、笑ってしまいました。笑ったけれど、ちょっぴり哀歓も感じました。千葉版なので、読んでおられない方のほうが多いでしょうから、記事を紹介します。
5月10日と15日、市川市内のゴルフショップで、ゴルフクラブが4本(あわせて約23万円相当)も盗まれました。まもなく窃盗の疑いで会社員(44歳)が、行徳署につかまりました。
それだけの話ですが、ゴルフクラブの万引きというのに、興味をそそられました。万引きというのは、盗品をどこかに隠して持ち出すわけでしょう。あんな長いクラブを、どこに隠したのでしょう。クラブを万引きしようと思う者はいない、という油断が店のほうにもあったはず。
やはり隠したところは、ズボンでした。いくらなんでも、ゴルフバッグをもって、ゴルフ店へ行くわけにもいかないですよね。被害者がいるのですから、笑っちゃいけないのですが、その姿を想像したら、吹き出したくなりました(ごめんなさい)。
万引きの際、かれは、スポーツ用ジャケットの上下を着用していました。クラブをズボンに1本ずつ隠して、足をひきずるようにして、店の外へ出たわけです。狂言に棒しばりというのが、ありますね。あ、あれは、両手か。とにかく、両足は、ギブスをしたような状態ですから、動作はぎこちなくなります。
ドロボーですから、一刻も早く、逃げたい。しかし、急げば、ヘンな歩き方がばれてしまう。そろり、そろり、そろり。たいへんな緊張感だと思います。
かれは、同じ手口で、平成15年11月から、なんとクラブを約400本も盗んでいたというのです。記事によれば、万引きしたクラブを中古ショップで換金し、約1100万円を得ていたそうです。
サラリーマンにとっては、夢のような“副収入”。遊びも、どんどん派手になっていったでしょう。比例して万引きの回数もふえたにちがいありません。かれには、休日も仕事があったわけです。ハラハラドキドキの“副業”。かれは、つかまって、むしろ心のやすらぎを得たのではないでしょうか。
<きょう・あす・あさって>
平成8年(1996年)7月27日 若泉敬、死去。享年66歳。没後10年。
昭和51年(1976年)7月27日 東京地検、田中角栄を逮捕。あれから30年。
〔フォトタイム〕
東京都庭園美術館その4
旧朝香宮邸のみどころは、建物だけではありません。庭園がまた、すばらしい。これは南面の外観ですが、建物と庭園がみごとに調和していますね。左側の彫刻は、ロシアうまれのオッシブ・ザッキンの「住まい」という作品です。