スリといえば、男というイメージが強い。しかし、ここ数年間、ヨーロッパで見かけたスリは圧倒的に女が多かった。それもあどけない少女であったり、かなりの美人であったり、ちょっとスリのイメージから遠いのである。

 

とはいえ、これは個人的な体験であり、実際にはちがっているかもしれない。

 

昨年、パリの地下鉄の車内で高校生くらいの女の子45人に取り囲まれた。そのうちの一人が、「いま、何時ですか?」と聞いたときに、あ、これはまずいと、電車がカーブで揺れたときに、囲みから脱出した。

 

先日は、やはりパリの地下鉄の階段を上がるところで若い女の子たちが近づいてきて、ショルダーバッグを開けようとしているのに気づいた。このときは、思わず手で払いのけたら、逃げ出したが、あとでこういう方法でよかったのか、ちょっと考えた。

 

というのは、払いのけた手の勢いがよかったのか、彼女は、あっと声を出した。もし、目にあてたり、顔にケガをさせたら、めんどうなことになっていたかもしれない。

 

外国で自分の行動の正統性を説明するのは、外国語が達者な人はともかく、そうでない人間にはかなりきつい。

 

ジプシーの子どもたちには何度も襲われかけたが、これは逃げるが勝ちと、さいわい被害に遭ったことはない。

 

ところが、先日、コートのポケットに入れておいた買ったばかりのパリの地下鉄の10枚つづりの切符をスラられてしまった。それが、どこで、どういう状況でスリにやられたのか、何一つ心当たりがない。

 

完璧なまでのハヤワザに、「お見事」というのはヘンな話だが、まさしくこれは女の子たちのスリ集団とはちがうホンモノのスリの仕業にちがいない。

 

〔フォトタイム〕

 

スターの手形その1

浅草公会堂の正面には、スターの手形が並んでいます。