「日本は豊かだ」と外国人はいう。たしかに貧乏ではないが、その豊かさをなかなか実感できない。それは、自分の財布の中身を知っているからにちがいない。
自分の懐ぐあいはひとまずおいて、日本を客観的に見てみると、なるほど、日本は圧倒的に豊かである。
バチが当たるのではないかと思うほど、リッチなのだ。
まず個人金融資産を見よ。ひところ、1400兆円といわれていた時期がけっこう長くつづいたが、この3月末で1571兆円になる。
驚くなかれ、ここ5年間で54兆円もふえた。54兆円といえば、1年間の日本の税収より多いのだ。
それに企業が保有する現金と預金の合計が6月末現在で220兆円になる。
個人金融資産と企業の現預金をあわせると、1791兆円! こんなべらぼうな金持ちは、世界のどこにもない。
にもかかわらず、日本人は将来の不安にかられてバーゲンで買い物を済ませ、企業経営者は慎重な態度を崩さず昇給を渋っている。
ああ、心配性の民族よ。
〔フォトタイム〕
日比谷 松本楼その6
松本楼といえば、カレーで有名ですね。